歯科では、虫歯や歯周病、着色による見た目の悪化を防ぐために、歯石除去やPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)などの歯のクリーニングを定期的に受けることをおすすめしています。
ただ、患者さんからは「クリーニングで歯が削れてしまわないの?」「私の場合、どのくらいの頻度で歯のクリーニングを受けに来れば良いですか?」といったご質問を受けることもあります。
歯のクリーニングは歯を健康を保つためにとても効果が高いのですが、しすぎるとかえって歯にダメージが加わる可能性もゼロではありません。そこで今回は、歯のクリーニングの適度な頻度についてご紹介します。
歯のクリーニングの「しすぎ」で歯が削れてしまうの?

結論から申し上げると、通常の歯科医院でのクリーニングで、歯が大きく削れてなくなってしまうようなことはありません。
私たちの歯の表面は、歯は鉄より硬い?のコラムでお話ししたように、エナメル質と呼ばれる人間の体の中で最も硬い組織で覆われています。
歯科医院で行うスケーリング(歯石取り)やPMTC(歯科専用の機械を使った歯の清掃)は、エナメル質の上にこびりついた汚れや歯石「だけ」を落とすのが目的です。正しい手順で行えば、歯そのものをゴリゴリと削り落としてしまうような心配はありません。
ミクロな傷や知覚過敏

しかし、「全くダメージがない」と言い切れないのも事実です。 歯石を取る際、エナメル質の表面には、顕微鏡でしか見えないレベルの極めて小さな傷(※1)がつくことがあります。
通常、こうした微細な傷は唾液に含まれるミネラル成分の働きによって自然に修復(再石灰化)されていきますが、その前に歯石除去などを繰り返すと、傷が深くなる可能性があります。
また、歯のクリーニングでは、歯垢(プラーク)や歯石が付着しやすい、歯肉の縁から歯肉の中を重点的にきれいにしますが、歯肉退縮(しにくたいしゅく:歯茎が下がってしまうこと※2)や知覚過敏があると、クリーニングを過剰に行うことで刺激が増え、これらの症状を悪化させてしまうケースもあるかもしれません。
(※1)(※2)エナメル質につく目に見えない傷については、クラックトゥース症候群とは?のコラムを、歯肉退縮については、歯肉退縮(しにくたいしゅく)の放置は危険のコラムをご参照ください。
クリーニングの頻度がポイントに

ここで問題となるのが「歯のクリーニングの頻度」です。唾液に含まれるミネラル成分で自然に治っていくまでは、少し時間がかかります。
お伝えしたように、傷が治る前にさらに歯石除去などを繰り返すと、傷が深くなっていくため、歯がすり減ってしまう可能性があります。過剰に歯のクリーニングを行うと、傷が少しずつ蓄積し、結果的に歯の表面が、わずかにすり減ってしまうリスクが生じるかもしれません。
歯のクリーニングのおすすめの頻度って?
それでは、歯を傷つけずに健康を保つためには、一体どれくらいのペースで歯科医院に通うのが正しいのでしょうか?
実は、お口の中の環境や歯磨きのスキルによって、理想的なペースは異なります。ここでは、状態別のおすすめ頻度を紹介します。
虫歯や歯周病がなく健康なお口の方は4〜6ヶ月に1回

現在、虫歯や歯周病のトラブルがなく、毎日の歯磨き(セルフケア)もしっかりできている方は、4〜6ヶ月に1回(1年に2〜3回程度)のペースが理想的です。
このペースであれば、歯にダメージを与えることなく、歯磨きだけでは落としきれない初期の歯石や汚れをきれいにリセットすることができます。
歯石やプラーク(歯垢)がつきやすい方は2〜3ヶ月に1回

毎食後丁寧に歯を磨いていても、唾液の性質や体質などによって、どうしても歯石やプラーク(歯垢)がつきやすい方がいらっしゃいます。
こうした方は、汚れが完全に石のように固まって、取りにくくなる前に対処する必要があるため、少し短めの2〜3ヶ月に1回のペースをおすすめします。
虫歯・歯周病の治療直後の方、磨き残しが多い方は1〜2ヶ月に1回

「歯並びの関係で、どうしても歯ブラシが届きにくい場所がある」「歯磨きのコツがまだ掴めていない」という方は、虫歯や歯周病が再発するリスクが高いため、1〜2ヶ月に1回と、短い間隔でクリーニングと歯磨き指導(TBI:Tooth Brushing Instruction )を受けるのが安全です。
「毎月通うのは大変…」と思うかもしれませんが、ずっとこの頻度が続くわけではありません。歯科衛生士のアドバイスを受けて毎日の歯磨きが上達し、お口の環境が改善されてくれば、少しずつ通院の間隔を延ばしていくことができます。
タバコを吸う習慣がある方は1〜2ヶ月に1回

喫煙習慣がある方は、1〜2ヶ月に1回の頻度がおすすめです。
タバコの煙に含まれるタール(ヤニ)は、非常に強力な粘着力で歯の表面に付着します。見た目が悪くなるだけでなく、タールが付着した表面はザラザラしているため、そこに歯周病菌などの細菌が住み着きやすくなってしまいます。
口臭の悪化や歯周病の進行を招く原因となるため、こまめなプロのケアを受けるようにしてください。
着色汚れ(ステイン)が気になる方は2~3ヶ月に1回

「虫歯や歯周病はないけれど、コーヒーやお茶による着色汚れだけを落としたい」という場合は、病気の治療ではないため、2〜3ヶ月おきを目安にクリーニングを受けると良いでしょう。
また、「結婚式がある」「大切な面接がある」など、イベントの前に合わせて適時受けるといった柔軟な通い方でも問題ありません。
どうしても歯の着色汚れが気になる方は、ホワイトニングを検討しましょう。専用の薬剤を使用するので、より白く、美しい歯を手に入れたいと思う方には、ホワイトニングがおすすめ(※)です。
(※)ホワイトニングについて、もっと詳しく知りたい方は、歯を魅力的な白さに変えるホワイトニングのコラムも併せてご参考になさってください。
ご自身の適切な頻度を知って歯のクリーニングを受けよう

歯のクリーニングは、お口の健康を維持するために有効な手段ですが、「ただ回数を増やせば良い」というわけではありません。ご自身の歯の状態や、クリーニングでつく微細な傷が修復される時間を考慮し、適切な頻度を守ることが大切です。
再度分かりやすくまとめますと、
- 歯が健康な方: 4〜6ヶ月に1回
- 歯石がつきやすい方、歯の着色汚れが気になる方: 2〜3ヶ月に1回
- 虫歯や歯周病の再発リスクが高い方、喫煙者: 1〜2ヶ月に1回
このように、お口の状態やライフスタイルによって理想的な頻度は異なります。
町田歯科では、綿密なカウンセリングを通じて、患者さんの歯の状態をしっかりと把握し、お口の健康を保つための適切なアドバイスを行います。「自分の適切なクリーニング頻度が知りたい」「最近、歯の汚れが気になってきた」という方は、ぜひ町田駅すぐそばの町田歯科へ、お気軽にご相談ください。








