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予防歯科

ドライマウスの原因と対策

以前、お口を潤すだけじゃない!唾液の持つすごい働きとは?のコラムでお伝えしましたが、お口の健康を保つには、実は唾液の働きがとても大切です。普段意識することのない唾液ですが、口の中が乾燥するドライマウスになると唾液が減り、様々な問題が生じます。

実は、お口の乾燥とは一見関係なさそうな虫歯や歯周病の予防にも悪影響が出てきます。口腔内を健康に保つことを目的とする予防歯科の観点からすると、唾液の減少は避けなくてはなりません。今回は、そんなドライマウスの原因や対策についてお話しします。

ドライマウスについて

ドライマウスとは?

ドライマウスとは

ドライマウスとは、文字通りお口の乾燥症状が認められる状態のことで、口腔乾燥症とも呼ばれます。ドライマウスになると、「口が乾く」「水分が少ない食べ物が食べにくい」「舌がヒリヒリする」「口がねばつく」「口臭がする」などの不快感を覚えるようになります。

ドライマウスの原因

ドライマウスの原因としては

  1. 唾液腺自体の機能低下
  2. 全身的な病気
  3. 薬の副作用

などが挙げられます。ドライマウスの原因は、口呼吸とストレスなど、一つではなく複数あることが多いのも特徴です。また、最後に挙げた薬の副作用ですが、実は唾液に影響する薬はとても多いので、薬に起因したドライマウスもしばしば認められます。

ドライマウスの調べ方

ガムテスト

実際に唾液の量が減っているかどうかを調べる方法は、いくつかあるのですが、簡単なのはガムテストです。

ガムを噛んでもらって、唾液の量を測る調べ方です。ガムテストで唾液が0.7~1.0ml/分以上出ていれば、正常とされています。

ドライマウスの予防歯科への影響

ドライマウスの予防歯科への影響

冒頭でも触れたとおり、ドライマウスは予防歯科の効果にも影響してきます。

唾液の働きの低下

予防歯科に影響を与える直接的な原因は唾液の働きの低下です。唾液には、とても多くの働きが備わっています。

冒頭で触れたお口を潤すだけじゃない!唾液の持つすごい働きとは?のコラムで詳しく解説していますが、歯に直接的に関係する唾液の働きは、

  1. 洗浄作用:歯やお口の汚れを洗い流す働き
  2. 緩衝作用:虫歯菌の酸を中和する働き
  3. 再石灰化作用:歯から溶かされたミネラル成分を歯に戻す働き
  4. 緩衝作用:虫歯菌の酸を中和する働き

などが挙げられます。いずれも虫歯や歯周病を防ぐのに、大切な作用であることがお分かりいただけると思います。ドライマウスになると唾液が減少し、これらの作用が低下します。

虫歯菌や歯周病菌が増える

虫歯菌や歯周病菌が増える

虫歯や歯周病を予防するために大切なことはいくつかありますが、その一つは、虫歯菌や歯周病菌などの細菌を減らすことです。

こうした細菌たちはプラーク(歯垢)の中にいるのでプラークコントロールが重視されるのですが、ドライマウスになると、唾液の減少によって抗菌作用と洗浄作用が低下し、虫歯菌や歯周病菌が増えてしまいます。

予防歯科によって虫歯菌や歯周病菌を減らそうとしても、唾液が正常な効果を発揮してくれないので、細菌数を減らすことも難しくなってしまうのです。

乳酸が中和されにくくなる

虫歯治療のページでも述べているとおり、虫歯はミュータンス菌などの虫歯菌が作り出す乳酸が歯を溶かすことで発生します。乳酸は酸ですから、中和されれば心配はありません。

ところが、ドライマウスになると唾液が減り、お口の中が中和されにくくなってしまいます。このため、どんどん歯が溶かされてしまうので、せっかく予防歯科に取り組んでも、その効果が減少してしまいます。

再石灰化が起こりにくくなる

予防歯科に取り組んでも、100%虫歯を防げるわけではありません。ですので、ごく初期の虫歯の段階で自然に治ることが大切です。

唾液には再石灰化という働きがあり、正常な状態であれば、軽度の虫歯なら修復できる自然治癒力があります。しかしドライマウスになると、この働きも低下してしまいます。

初期の虫歯が自然に治らず、細菌数の増加や中和作用の低下により、さらに悪化しやすくなるので、ドライマウスはいわば予防歯科の大敵と言えるでしょう。

ドライマウスの対策

では、ドライマウスの方は、どのような対策を採れば良いのでしょうか。以下で具体的に述べていきましょう。

セルフケア

ドライマウスのセルフケア

まず取り組んでいただきたいのがセルフケアです。ご自身で行えるセルフケアは、ドライマウス対策の基本になります。

唾液腺マッサージ

唾液を作る元である耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3つの唾液腺をマッサージして唾液を出しやすくする方法です。耳下腺なら耳のやや下前方を丸を描くように、顎下腺や舌下腺なら下顎の内側を軽く押し上げるようにして刺激しましょう。

口腔ジェル、口腔保湿剤

唾液の代わりとなる人工唾液を使って、お口の中の潤いを確保する方法です。口腔ジェルや口腔保湿剤には、スプレータイプ、ジェルタイプ、液体タイプの3タイプがあります。ドラッグストアで購入しても良いですし、Amazonや楽天などのネット通販でも入手することができます。

手軽に使えるのは液体タイプ、持ち運びしやすいのはスプレータイプ、効果が長続きするのはジェルタイプと、それぞれに特徴があります。

洗浄効果を重視したものもあれば、お口の粘膜の保護を重視したタイプもあり、味も様々です。ご自身の生活スタイルや症状に合ったものをお選びになると良いでしょう。

医療機関での治療

ドライマウスの医療機関での治療

セルフケアで症状が改善されない場合は、医療機関での治療も考えてみてください。

薬物治療

医療機関で主に行われるのは、薬を使った治療です。唾液を出しやすくする薬や漢方薬が選ばれます。ただし、唾液を出しやすくする薬は、心臓病や喘息などがあると使えない場合があります。

ドライマウスに効果のある漢方薬は10種類以上あり、症状に合わせて選ばれます。エキス顆粒剤タイプの漢方薬が選ばれることが多く、お湯に溶かしてゆっくり飲むと、より効果が高くなります。

薬の変更や減量

ドライマウスの原因が、医療機関から処方されている薬の副作用である場合は、薬を換えたり、減らしたりするのを、主治医の先生に検討してもらうのも良いかもしれません。くれぐれもご自身の判断で減らしたり、止めたりしないようにしてください。

唾液の減少には十分な注意が必要

今回は、ドライマウスについてお話ししました。日頃あまり意識することのない唾液ですが、歯の健康のために、とても重要な働きを担っていることがご理解いただけたかと思います。

ドライマウスになると、唾液の持つ様々な働きが制限されてしまい、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。もちろん町田歯科では虫歯治療歯周病治療を行っていますが、やはり大切なのはそうならないための予防です。

予防歯科の効果を最大限発揮できるように、唾液の減少には十分に注意してください。お口の乾燥により、虫歯や歯周病の心配がある方は、町田歯科にお気軽にご相談いただければと思います。

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