みなさんの中には、これまでに歯医者さんで歯周病と診断された方もいらっしゃると思います。町田歯科の歯周病治療でも解説していますが、日本では15歳以上の8割が歯周病にかかっているというデータもあり、誰もが歯周病になるリスクがあるといっても過言ではありません。また、近年では糖尿病や高血圧などの全身疾患との関連性も多く指摘されています。
今回は、この歯周病について詳しくお話ししていこうと思います。今、すでに歯周病治療されている方はもちろん、これから歯科にかかろうとしている方にも、是非知識として知っていただきたいポイントを押さえたので、チェックしてみてください。
歯周病とは「歯の周りに起きる病気」
その名のとおり、歯周病は歯の周り、つまり歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる歯を支える骨、歯肉(しにく)といわれる歯茎(はぐき)が炎症を起こし、破壊されていく病気です。
はじめは、歯と歯茎の間の歯周ポケットと言われる隙間から細菌が入り込み、歯肉に炎症が起きます。この段階では、さほど痛みもなくブラッシングで出血する程度です。
ただ、そこからさらに炎症が進むと、今度は歯肉の下にある歯を支える歯槽骨が溶けていきます。大きく歯槽骨が溶けていくと、歯を支えられなくなるため、歯はグラグラと動くようになります。そして、最悪の場合歯が抜け落ちてしまう、あるいは抜歯せざるを得ないということになります。
このように、歯周病は初期段階では自覚症状がほぼなく、また慢性疾患と言って、ゆっくりゆっくりと進行していく病気です。つまり、自覚症状が出た頃に歯周病はかなり進行しているということです。こういった歯周病の特徴を知っておくことはとても大切です。
歯周病の原因は細菌
原因はズバリ、口腔内の細菌、プラークが原因です。プラークコントロールという言葉もよく聞かれるようになりましたが、プラークは一般的には歯垢(しこう)と呼ばれているものです。
このプラークはいわば細菌の塊で、たくさんの種類の細菌が含まれています。お口は体の器官の中では外と繋がる入り口でもあり、無菌ではありません。この細菌達は普段みなさんのお口の中には必ず存在するものです。いつも悪いことをするわけではありませんし、日々、私たちが行なっているオーラルケアで取り除くことも可能です。
ただ、このプラークはかなりの粘着性があり歯にピッタリとくっついています。ですから、口をゆすぐくらいでは取り除くことはできません。ブラッシングで物理的に掻き出し取り除く必要があるのです。
このブラッシングが行き届いていないと、残った細菌が原因となり、上で説明したように歯肉や歯槽骨に炎症を引き起こすことになります。特に、歯周ポケットと言われる狭い空間に入り込んだプラークはブラッシングでは除去しづらく、そのままにしておくと歯石という硬い物質になって歯にさらに強固に付着してしまいます。
そしてこの歯石が一旦付着すると、その歯石を足がかりとしてさらにプラークが付着し、歯の周囲に炎症を波及させていくことになります。
歯周病ってどうやって治療するの?
ここまで歯周病の原因についてお話してきましたが、歯周病の治療とは、この原因である細菌の除去になります。この細菌を除去することで、炎症の進行を食い止めることができるようになります。
そして、歯周病治療では以下のような内容の処置が、症状や段階を踏まえて系統立てて行われていきます。
ブラッシング法などのオーラルケアの習得
原因であるプラークを確実に除去するには、しっかりとしたオーラルケアの習得が必要です。これを、プラークコントロールと呼びます。
専門家である歯科医師、歯科衛生士から自分のお口の状態に合ったケアの仕方の指導を受け、それをお家でも実践する必要があります。町田歯科では歯のメインテナンスを重視しており、正しいブラッシングの指導を始め、しっかりとカウンセリングしつつ、患者さん一人一人に合ったオーラルケアをご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。
歯石除去
上でお話ししたように、歯周ポケットに入り込んだプラークや歯石にはブラッシングだけではアプローチできません。ですから、こういったセルフケアだけでは難しい歯石除去は歯科医院で専用の器具や器械を使用して行なっていきます。
歯石も、歯肉の上の比較的浅いところに付着した縁上歯石(えんじょうしせき)、歯周ポケットの中に潜り込んだところに付着した縁下歯石(えんかしせき)と2種類あります。
縁下歯石については歯肉に隠れて見えないところに付着しているため、歯肉を全て取り切るのに回数や期間がかかることもあります。重度の歯周病の場合、歯肉を部分的に剥いで目で見えるようにした状態で歯石を除去していくこともあります。
これら専門機器を使用しつつ、最適な歯のクリーニングを行うことをPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)と呼びます。町田歯科で行う歯のクリーニングを担当するのは、全員が歯科衛生士です。スケーリング、フロッシング、エアフローなど、口腔ケアのプロが高度な知識と専門の機器を用いて、最適なクリーニングを行います。
再生療法
ここ最近の再生治療の進歩はめざましく、歯周病治療においても骨の再生療法を取り入れることが多くなりました。大きく骨が失われてしまい、治療の選択肢がもう抜歯しかなかったものが、近年はこの再生療法によって抜歯せずに済むケースも出てきています。
再生療法が適応かどうかは症例にもよりますが、これによって、歯周病の進行を食い止めるだけでなく、機能自体も回復させることが可能になりました。
歯周病予防、再発防止に大切なこと
歯周病は一度治ったと思っても再発リスクがある病気です。一度歯石を全て除去したからこれで終わり、というわけではありません。
お伝えしてきた通り、お口の中にはプラーク、細菌が常に存在します。日々良好なプラークコントロールが継続されなければ、やはり歯周病は再発してしまいます。
これまで歯周病にかかったことのない方も、予防方法は同じです。ブラッシングなどのオーラルケアに加え、定期的なクリーニングでお口の中のチェック、歯石除去を行うメインテナンスが大切です。
かつては歯周病は不治の病と言われたこともありましたが、今では、医療の進歩もあり、メインテナンスすることで上手くコントロールしながら付き合っていくことができるようになりました。
今回の内容をどうぞ是非、あなたのお口の健康に役立てていただければと思います。