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歯周病

糖尿病と歯周病

今回は糖尿病と歯周病の関係についてお話しします。歯科が担当する歯周病と、それとは異なる糖尿病の関係性というと、一瞬ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、歯周病治療のページでもお伝えしているように、糖尿病と歯周病には深い関係があります。

歯周病は六番目の合併症

糖尿病の合併症というと、神経に生じるもの(糖尿病神経障害)、視覚に生じるもの(糖尿病網膜症)、腎臓に生じるもの(糖尿病腎症)が、いわゆる三大合併症とされています。このほかにも様々な慢性合併症があり、詳しくは日本糖尿病学会のページに記載がありますので、興味のある方はご参照ください。

糖尿病の慢性合併症

実は今回のテーマである歯周病も糖尿病の合併症の一つで、歯周病は糖尿病の六番目の合併症とも呼ばれており、注意が必要なのです。

糖尿病からみた歯周病との関係性

歯周病になりやすくなる

歯周病のメカニズム

糖尿病になると、免疫力が低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなります。

歯周病は治療が可能のコラムでもお伝えしましたが、歯周病は、何百種類もある歯周病菌という細菌が原因で起こる病気です。

免疫力が低下すると、歯周病菌を抑えられなくなるので、歯周病にかかりやすくなってしまいます。ある統計では、糖尿病の方とそうでない方で比べると、糖尿病の方の方が2.6倍も歯周病になりやすいという結果もあるほどです。

歯周病が悪化しやすい

歯周病が悪化しやすい

上述のとおり、糖尿病になると歯周病にかかりやすくなりますが、それに加えて、歯周病が悪化しやすい状態にもなります。糖尿病が傷の治りを悪くしてしまうからです。

糖尿病になると、歯周病で傷ついた歯肉や、歯を支える歯槽骨などの歯周組織の治りも悪くなり、炎症が長引きます。

炎症状態が長期化した歯周組織では、炎症性細胞が増えてくるのですが、この炎症性細胞は古い骨を吸収する破骨細胞(はこつさいぼう)を活性化させ、歯槽骨を溶かしてしまいます。

このように、傷ついた歯周組織の治りの悪さ、歯槽骨のダメージなどにより、歯周病が悪化していきます。

歯周病からみた糖尿病との関連性

血糖値のコントロールを悪化させる

歯周病は血糖値のコントロールを悪化させる

先ほど歯周病が進行すると、炎症性細胞が増えてくるとお伝えしました。この炎症性細胞は、血糖値を下げる働きを持つインスリンというホルモンの働きを低下させます。これをインスリン抵抗性といいます。

歯周病が進行すると、このインスリン抵抗性が高まり、糖尿病が悪化してしまうのです。

歯周病~歯肉炎から重度歯周病まで

炎症性細胞は、歯と歯肉の隙間である歯周ポケットから出てきますが、全ての歯が中等度以上の歯周病になると、歯周ポケットの総面積は、実に手の平と同じくらいの面積になります。

これだけたくさんの炎症性細胞が出てくるため、インスリン抵抗性もそれに伴って急激に上昇してしまいます。

歯周病予防の糖尿病への効果

糖尿病と歯周病の関係についてお話ししてきましたが、歯周病をしっかり予防できれば、歯だけでなく糖尿病に対しても、良い効果をもたらしてくれるということになります。

血糖値のコントロールを良くする

歯周病を予防すると、インスリン抵抗性も下がり、血糖値のコントロールが良くなります

歯周病を防げれば、歯肉などの歯周組織の炎症も防ぐことにつながります。お伝えしたように、歯周組織の炎症はインスリン抵抗性を高めますので、歯周病を予防できれば、このインスリン抵抗性も下がります。

こうして血糖値が改善し、糖尿病のコントロール状況も良くなると考えられています。

糖尿病の合併症を防ぐ

冒頭でも触れたように、糖尿病の合併症には様々なものがあります。これら合併症は、糖尿病になるとすぐに発症するのではなく、糖尿病のコントロールができず、悪化した場合に発症します。

歯周病を予防できれば、糖尿病の悪化を防ぎ、合併症を起こさずに済む可能性が高くなります。

歯周病の予防法

前述のとおり、歯周病は歯周病菌が引き起こす病気ですので、しっかりと対策すれば、予防が十分可能です。

プラークコントロール

プラークコントロールの基本は、毎日、毎食後の歯磨き。デンタルフロスも使用しましょう。

歯周病菌が集まったもの、それがプラーク(歯垢)です。プラークを取り除くことをプラークコントロールといい、歯周病予防のベースとなるものです。

このプラークコントロールの基本は、毎日、毎食後の歯磨きです。歯の表面を歯ブラシで、歯と歯の間を歯間ブラシやデンタルフロスできれいにすることで、プラークを取り除き、歯周病菌を減らしましょう。

デンタルフロスの選び方や使い方については、デンタルフロスはどう使う?や、使っていますか?デンタルフロスや歯間ブラシのコラムで詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

歯のクリーニング

歯周病予防のためには歯科医院での専用機材によるPMTCが大切

歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使っても、どうしても磨けないところはあるものです。そこで、歯科医院で磨けていない部分をきれいにしてもらいましょう。

また、プラークが古くなり石のように硬くなった歯石は、表面がとても凸凹しているのでプラークの温床になります。

歯石は歯磨きでは取り除けませんので、歯科医院でのPMTCプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)により、スケーラーという専用器械を使って取り除くようにしてください。

ブラッシング指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)

ブラッシング指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)

正しい歯磨きをする習慣も身につけるようにしましょう。町田歯科では、歯のクリーニングページでもお伝えしているように、患者さん一人一人に合った歯磨き粉、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを紹介させていただいております。

そして、それらの使い方のポイントも説明させていただき、正しいブラッシングの仕方をお伝えいたします(これをTBIといいます)。日常の歯磨きで効果的にプラークコントロールができるように、一緒に頑張りましょう。

歯周病を防いで糖尿病予防に

歯周病をしっかりと予防し、糖尿病の悪化を防ぎましょう。

今回は、糖尿病と歯周病の関係性について解説しました。糖尿病と歯周病には切っても切れない関係があり、糖尿病の悪化が歯周病を悪化させ、歯周病の悪化がさらに糖尿病を悪化させるという悪循環に入ってしまいます。

歯周病は歯周病菌が原因であることがわかっていますので、予防が可能です。歯周病をしっかりと予防し、糖尿病の悪化を防ぎましょう。

歯を長持ちさせるセルフケアとプロフェッショナルケアのコラムでもお伝えしているように、歯周病の予防には、ご自身で行う日々の歯磨きに加え、歯科医院での専用機器によるクリーニングが大切です。

糖尿病になっている、もしくは予備軍の方だけでなく、そうならないようにするためにも、町田歯科で一緒に歯周病予防に取り組んでみませんか。

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