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小児歯科

子どもに炭酸水を飲ませてもいいの?~正しい与え方と歯への影響

蒸し暑い日が多い今の時期、爽快感のある炭酸水を好んで飲む方も多いのではないでしょうか?

そして、そんな炭酸水に対して、「シュワシュワが楽しい!」と、興味を示すお子さんも少なくありません。

最近は無糖の炭酸水が飲み物として広まり、ご家庭の冷蔵庫に常備しているという方も増えてきました。一方で、当院では「子どもに飲ませて歯や体に影響はないの?」と心配されるパパ・ママからのご相談もよく寄せられます。

そこで今回は、お子さんが炭酸水を飲んでも良い時期や与え方のポイント、歯への影響などについて、分かりやすくご紹介します。

炭酸水はいつから飲ませて良い?

結論からお伝えすると、子どもに炭酸水を与えるのに明確な年齢基準はありません。ただし、歯や消化器官への発達を考えると、6歳ごろを一つの目安として考えると良いでしょう。

飲ませ始める年齢の考え方

炭酸水を飲ませ始める年齢の考え方

乳幼児期は乳歯のエナメル質が薄く、酸の影響を受けやすい時期です。そのため、乳歯がほぼ生え揃い、永久歯への生え替わりが始まる6歳ごろまでは、水や麦茶などの中性に近い飲み物が望ましいと言えます。

もちろん発達には個人差があるため、年齢だけで判断する必要はありません。炭酸水やその他の嗜好飲料は、お子さんの成長を考慮しながら、少しずつ取り入れていくのが良いでしょう。

はじめて炭酸飲料を与えるときのポイント

はじめてお子さんに炭酸飲料を与えるときのポイント

冒頭でも触れたように、炭酸水のシュワシュワした刺激を好むお子さんがいる一方、炭酸が苦手な子も多いものです。

お子さんがはじめて炭酸水にチャレンジする際は、無理にすすめないようにしましょう。少量を口に含ませて様子を見る程度で十分です。

嫌がる場合は無理強いせず、お子さんのペースに合わせるのが基本です。むせやすい飲み物でもあるため、必ず大人が見守る環境で与えるようにしてください。

炭酸水と炭酸飲料の違いを知っておこう

「炭酸水」と「炭酸飲料」は、同じように扱われることもありますが、成分は大きく異なります。お子さんに与える前に、それぞれの特徴を整理しておきましょう。

無糖の炭酸水の特徴

無糖の炭酸水の特徴

炭酸水は、水に二酸化炭素を溶かしただけのシンプルな飲み物で、糖分やカロリーを含みません。

そのため「糖分がないなら歯や体に影響ない」と思われがちですが、後ほど解説するように、酸性度の面では注意したい飲み物の一つです。

また、水分補給という面からも、特に優れているわけではないため、日常的に水代わりとして飲ませる必要はありません。

加糖の炭酸飲料の特徴

加糖の炭酸飲料の特徴

コーラやサイダーなどの加糖炭酸飲料には、糖分や香料、酸味料などが加えられています。500ml入りのペットボトル1本に、角砂糖10個以上に相当する糖分が含まれている商品もあるほどです。

世界保健機関(WHO)は、肥満や虫歯を予防するため、遊離糖類の摂取量を1日のエネルギー摂取量の5%未満、ティースプーン6杯分(成人で約25グラム)程度に抑えることを推奨しています。

子どもの場合はさらに少ない量が望ましく、商品によっては、ペットボトルたった1本で1日分の摂取量に相当する場合もあるので、注意が必要です。

炭酸水が子どもの歯に与える影響

無糖だったら問題ないのでは…と考える親御さんも多いのですが、実は、無糖の炭酸水であっても歯への影響はゼロではありません。コラムでもご紹介した酸蝕症(さんしょくしょう)と関係しているからです。

酸蝕症のリスク

炭酸水が子どもの歯に与える影響:酸蝕症のリスク

歯の表面を覆うエナメル質は、歯は鉄より硬い?のコラムでも解説したとおり、人体の中でも特に硬い組織ですが、その一方で「酸に弱い」という性質を持っています。

普段、お口の中はpH(ペーハー)7前後の中性に保たれていますが、口内が酸性に傾き、pHが5.5を下回ると、エナメル質からカルシウムなどのミネラルが溶け出す脱灰(だっかい)が起こります。この値を臨界pHと呼びます。

脱灰と再石灰化

通常は、お口の中が酸性になっても、唾液の働きによって徐々に中性に戻り、溶け出したミネラルが歯に戻る再石灰化が起きますが、酸性の飲食物を長時間ダラダラと口にしていると、この再石灰化が追いつかなくなってしまいます。

結果として、歯のエナメル質が酸によって溶かされてしまうことになり、この状態を酸蝕症(さんしょくしょう)と呼びます。

酸蝕症の症状や治療法については、歯が溶ける?酸蝕症(さんしょくしょう)ってなに?のコラムで詳しく解説しておりますので、興味のある方は併せてご参考になさってください。

炭酸水のpHと子どもの歯への影響

炭酸水のpHと子どもの歯への影響

市販されている無糖炭酸水のpHはおおむね5.0前後で、エナメル質が溶け始める臨界pH5.5をやや下回ります。

たまに飲む程度なら大きな問題にはなりにくいものの、水の代わりに飲むのは避けましょう。長い時間少しずつ飲み続けることで、歯が酸にさらされる時間が長くなり、前述の酸蝕症のリスクが高くなるためです。

特に柑橘系のフレーバーがついた炭酸水は、酸が強い傾向があるので、与える頻度を抑えたい飲み物の一つと言えます。冒頭でもお話ししたように、子どもの歯は大人より小さく、エナメル質も薄いため、酸の影響を受けやすいことは覚えておきましょう。

子どもに炭酸水を与えるときの3つのコツ

炭酸水を完全に避けなくても構いませんが、与え方を工夫すると、歯や体への負担は抑えられます。ここからは、日常で取り入れやすい3つのコツを紹介します。

① 飲む時間とタイミングを決める

子どもに炭酸水を与えるときの3つのコツ:① 炭酸水を飲む時間とタイミングを決める

炭酸水は「ダラダラ飲み」を避けることが大切です。食事やおやつなどの決まった時間に飲み、その後は水や麦茶でお口をすすぐ習慣をつけましょう。お口の中が酸性の状態になっている時間を短くすることで、再石灰化の働きが追いつきやすくなります。

特に、就寝前の摂取は控えてください。就寝中は唾液の分泌量が減り、酸を中和する力が弱まるため、酸蝕症虫歯のリスクが高まります。

② 飲んだあとは歯磨きを急がない

子どもに炭酸水を与えるときの3つのコツ:② 炭酸水を飲んだあとは歯磨きを急がない

酸性の飲み物を飲んだ直後は、歯のエナメル質が一時的に柔らかくなっています。すぐに歯ブラシでこすると、かえって歯の表面を傷つけてしまう可能性もあるため、注意してください。

お子さんの場合は、まず水でうがいをしてから、少し時間を置いて歯磨きをするというやり方が良いでしょう。

歯科医師会でも、酸性の飲食物を摂った直後はエナメル質が柔らかくなっているため、30分程度時間を置くか、水で洗口してから歯磨きをするように呼びかけています。

③ 普段の飲み物は水や麦茶を中心にする

子どもに炭酸水を与えるときの3つのコツ:③ 普段の飲み物は水や麦茶を中心にする

お子さんの水分補給は、主にノンカフェインで中性に近い、水や麦茶にしましょう。

炭酸水はあくまで「特別なときに楽しむ飲み物」と位置づけると、酸蝕症虫歯のリスクを抑えつつ、食生活にメリハリもつけやすくなります。

家族で外食をしたときや、誕生日やイベントのときなど、シーンを限って与えるのも一つの方法です。常飲しないことで、お子さんにとっての「特別感」も高まりやすくなるはずです。

炭酸水はお子さんへの与え方を工夫しよう

炭酸水はお子さんへの与え方を工夫しよう

今回は、お子さんに炭酸水を与える際の注意点について解説しました。お伝えしたように、炭酸水は、お子さんに無理に与える必要はなく、もし飲ませるのであれば、歯や消化器官の発達を考慮し、6歳ごろを一つの目安にすると良いでしょう。

ただし、無糖の炭酸水でもpHは5.0前後あります。すぐに歯に影響が出るわけではありませんが、飲むことで口腔内が酸性に傾き、酸蝕症のリスクが高くなる点には注意が必要です。ダラダラ飲みや就寝前の摂取は避け、飲んだあとは水でうがいをするなどの工夫が大切です。

また、加糖の炭酸飲料は砂糖摂取量の目安を超えやすく、虫歯酸蝕症の両面でリスクが高くなるため、なるべく飲むことは控えましょう。日常の水分補給は、糖分やカフェインを含まない水や麦茶を中心にしてください。

お子さんの歯の健康を守るためには、ご家庭での飲み物の工夫に加え、定期的な歯科でのチェックも欠かせません。町田歯科では、治療や歯のメインテナンスに加え、お子さんの食生活についても丁寧にアドバイスをいたします。

もし、お子さんの歯に気になる症状がある場合は、町田駅すぐそばの町田歯科へお気軽にご相談ください。

参考文献

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