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矯正歯科

ガミースマイルの特徴と治療法

笑った時に、上顎の前歯の歯肉が露出する状態をガミースマイルといいます。ガミースマイルそのものには病的な問題点はありません。

しかし、笑顔は第一印象を左右するので、過度なガミースマイルの場合、ご本人が気にしてしまい、社交性にも影響することがあります。

現在は、ガミースマイルの改善を目的に、様々な治療法も開発されています。今回は、そんなガミースマイルについて詳しくお伝えしたいと思います。

ガミースマイルとは

冒頭で触れたように、ガミースマイルとは、笑った時に上顎前歯部の歯肉が露出する状態を指します。とはいえ、どれくらい露出するとガミースマイルなのか、分かりづらい方もいらっしゃると思いますので、より具体的な判定基準についてお話しましょう。

ガミースマイルの判定法

ガミースマイルの判定法,笑った時に上顎前歯の歯肉が3ミリ以上見えているとガミースマイル

笑った時の唇の位置をリップラインといいます。ガミースマイルの判定には、このリップラインと上顎前歯との位置関係の評価が欠かせません。

リップラインと上顎前歯との関係性は、低位・中位・高位の3段階に分けて評価されています。

低位笑った時に上顎前歯が唇に覆われて、一部分しか見えていない状態
中位笑った時に上顎前歯の歯肉が1~3ミリほど見えている状態
高位笑った時に上顎前歯の歯肉が3ミリ以上見えている状態

一般的に、高位の状態がガミースマイルとされています。

また、調査方法によって差がありますが、各々の割合は

  • 低位:20%
  • 中位:70%
  • 高位:10%

ほどとされています。多くの人が中位程度であり、約1割程度がガミースマイルということになります。

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は一つとは限らず、以下に挙げたような原因が、複合的に発生しているケースが多くなります。

ガミースマイルの原因が唇にある場合

ガミースマイルの原因が唇にある場合

唇に原因がある場合としては、上唇の過剰な挙上(きょじょう:上に持ち上がること)が挙げられます。笑った時に上唇が上がりすぎると、上顎前歯部の歯肉が見えるようになります。

また、上唇が薄い場合も、唇の厚さが足りず、笑った時に上顎前歯の歯肉を覆えないため、ガミースマイルになります。

ガミースマイルの原因が歯肉にある場合

ガミースマイルの原因が歯肉増殖の場合

歯肉に原因がある場合としては、歯肉増殖があります。歯肉増殖とは歯肉が厚ぼったくなる症状で、歯肉増殖があると、笑った時に歯茎が目立ってしまい、ガミースマイルになります。

歯肉増殖は、歯肉の炎症や薬の副作用、遺伝などの影響で生じると言われています。

ガミースマイルの原因が歯にある場合

歯に原因がある場合としては、まず上顎前歯の過萌出(かほうしゅつ)が挙げられます。過萌出とは、歯が通常よりも伸びて生えてしまうことで、上顎前歯が生えすぎてしまうと、歯肉が見えるようになり、ガミースマイルになります。

ガミースマイルの原因が叢生・乱杭歯の場合

もう一つは、上顎前歯の叢生(そうせい)です。叢生は乱杭歯(らんくいば)とも呼ばれ、歯の大きさと顎の大きさのバランスが取れず、歯がでこぼこに生えている状態を指します。

上顎前歯の歯並びがでこぼこしていると、内側にずれて生えている歯の歯肉は露出が増えるので、笑った時に歯肉が見えるようになってしまいます。

上顎前歯の長さが短い場合や、上顎前歯がすり減っている場合もガミースマイルになりやすくなります。

これら以外にも、上顎前歯の長さが短い場合や、上顎前歯がすり減っている場合もガミースマイルになりやすくなります。

上顎前歯の長さが短いと、歯肉が目立つようになります。また、上顎前歯がすり減って短くなると、歯が下がってきてしまいます。それに伴って、笑った時に歯肉が見えるようになることがあります。

ガミースマイルの原因が骨にある場合

骨に原因がある場合としては、上顎骨の下方向への過成長(かせいちょう:成長しすぎてしまうこと)と、上顎骨の前方への過成長が挙げられます。

上顎骨が下方へ成長しすぎると、上顎が全体的に下がる形となります。すると、上顎の前歯と歯肉も下がるのですが、上唇の位置は変わらないため、笑った時に歯肉が目立つようになります。

ガミースマイルの原因が上顎骨の前方への過成長(出っ歯・上顎前突)の場合

上顎骨の前方への過成長とは、いわゆる出っ歯のことです。上顎骨が前に出ると、上顎前歯も一緒に前に出るため、歯肉も前に出る形となり、笑った時に歯肉が目立ってしまいます。

ガミースマイルの治療法

ガミースマイルの原因をお話ししてきましたが、ここからは、各々の原因別にガミースマイルの治療法を解説していきましょう。

唇に原因がある場合のガミースマイルの治療法

上唇が上がりすぎる場合は、上唇の動く範囲を狭くするように処置していきます。

ボトックス注射

唇に原因がある場合のガミースマイルの治療法~ボトックス注射

まず、対症療法としては、ボトックス注射で上唇の筋肉の働きを弱くする方法があります。美容の分野で使われることが多いボトックス注射は、元々はまぶたの痙攣を抑えるためのもので、筋肉の運動が過剰になるのを抑えてくれる作用があります。

ただし、ボトックスの効果は一時的なものなので、数か月に1回は定期的に注射する必要も出てきます。

口唇移動術・上唇粘膜切除術

口唇移動術・上唇粘膜切除術

より根本的なアプローチとしては、口唇移動術(こうしんいどうじゅつ:Lip Repositioning Technique)や上唇粘膜切除術(じょうしんねんまくせつじょじゅつ:リップリポジショニングLIPとも呼ばれます)という外科手術を行う方法があります。

前歯の歯肉部分を部分的に切除し、縫い合わせることで、上唇を引き上げる働きを持つ上唇挙筋(じょうしんきょきん)の動く幅を制限し、上唇が上がり過ぎないようにします。

ヒアルロン酸注入

このほか、上唇の厚みが薄い方は、ヒアルロン酸を上唇の皮膚下に注入し、唇を厚みを持った形にして治療します。

歯肉に原因がある場合のガミースマイルの治療法

歯肉の炎症が原因のガミースマイルの治療法は、プラークコントロールやPMTCによる歯のクリーニングなどによって炎症を緩和させます。

歯肉増殖によってガミースマイルが生じている場合は、その原因を把握して対処します。

カルシウム拮抗薬や抗けいれん薬など、使用している薬が原因なら、該当する薬剤の中止や変更の検討を主治医に依頼します。また、炎症性のものであれば、プラークコントロールやPMTCによる歯のクリーニングなどによって炎症を緩和させます。

歯に原因がある場合のガミースマイルの治療法

矯正治療

上顎前歯の過萌出によるガミースマイルの場合は、生えすぎた歯を顎の骨の中に埋める圧下(あっか)という矯正により改善を図ります。

上顎前歯部の叢生・乱杭歯が原因のガミースマイルなら、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正治療で歯並びを整え、内側にずれた歯をきれいに並べます。

上顎前歯部の叢生・乱杭歯が原因なら、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正治療で歯並びを整え、内側にずれた歯をきれいに並べます。

矯正歯科については、今までも多くのコラムで扱っておりますので、興味のある方は併せてご参照ください。また、町田歯科の矯正情報特設サイトでも、実際の治療例を掲載しております。

歯肉形成や被せものによる治療

上顎前歯の長さが短いことによるガミースマイルの場合は、歯肉形成(歯肉を数ミリ切除する方法)を行い、歯冠の長さが適切になるようにします。

上顎前歯の長さが短い場合は、歯肉形成(歯肉を数ミリ切除する方法)を行い、歯冠の長さが適切になるようにします。また、上顎前歯がすり減っている場合は、上顎前歯を圧下させ、その後、少なくなった歯冠部分に被せものを補い、形状を整えます。

骨に原因がある場合のガミースマイルの治療法

上顎骨が下方向に下がっている場合は、顎矯正手術(がくきょうせいしゅじゅつ)を行い、上顎の歯並びを正常な位置に戻します。顎矯正手術については、顎変形症(がくへんけいしょう)についてのコラムで詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

矯正用アンカースクリュー

また、矯正用アンカースクリューという小さなチタン性のネジを埋め込み、それを使って上顎の歯並び全体を圧下させることも行います。

上顎骨が前方に過成長している場合は、前から4番目もしくは5番目の小臼歯を便宜抜歯(べんぎばっし)して、上顎前歯を後に動かしたり、矯正用アンカースクリューを使い、上顎全体の歯並びを後に動かす処置を行います。状況によっては、上顎骨自体を後方に下げる顎矯正外科手術が選ばれることもあります。

自信の持てる笑顔のために

ガミースマイルを治療して、自信の持てる笑顔に

今回は、ガミースマイルの特徴や治療法について解説しました。お伝えしたように、ガミースマイルの原因は様々で、治療はその原因に応じて行われるため、何がガミースマイルの原因となっているかを見極めることがとても大切になります。

もちろん冒頭でお伝えしたように、ガミースマイルに病的な問題点はありませんが、笑顔という第一印象を左右する要素に影響するので、コンプレックスを感じてしまうと、社交性などの心理的な問題につながりかねません。

町田歯科では、一般的な歯科治療だけでなく、患者さん一人一人のお気持ちに配慮した治療を心掛けています。ガミースマイルでお悩みの方も、当院でお気軽にご相談ください。

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