歯茎が腫れる・出血がある、歯茎が下がるというお悩み
- 歯茎が腫れて痛い
- 歯磨きすると血が出る
- なんだか歯茎が下がってきたような気がする
このようなお悩み、ありませんか?
歯茎は歯を支える土台となる大切な部分。歯茎の腫れや出血、下がった状態を放置すると歯周病が進み、最悪の場合は歯を失ってしまうこともあります。注意してください。
あなたの歯茎は大丈夫?セルフチェックで今すぐ確認!
毎日しっかりと歯を磨いていても、歯茎のトラブルを抱えている方は多いものです。歯茎の健康は、お口全体の健康、ひいては全身の健康にも関わっています。
まず、ご自宅で簡単にできる歯茎のセルフチェックを紹介します。鏡を見ながら以下の項目をチェックしてみましょう。
- 歯茎の色が赤っぽかったり、紫色っぽくなったりしていませんか?
- 歯茎が腫れて普段よりぷっくりと膨らんでいませんか?
- 歯磨きやデンタルフロスを使ったとき歯茎から血が出ませんか?
- 以前と比べて歯が長く見えるようになったり、歯と歯の隙間が目立つようになったりしていませんか?
- 指で軽く歯を押すとグラグラと動く感じがしませんか?
チェックの結果はいかがでしたか?
一つでも当てはまる項目があれば、歯茎からのSOSサインかもしれません。
歯茎の腫れ・出血・後退の原因
理想的な歯茎は、淡いピンク色で引き締まっており、歯磨きやフロスで簡単に出血することはありません。もし、歯茎が赤く腫れていたり血が出やすかったり、後退していたりする場合は、以下のようなトラブルが起きている可能性があります。
歯周病
歯茎トラブルの最大の原因と言えば、やはり歯周病です。 歯周病は、歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病菌によって引き起こされる感染症のことをいいます。
初期段階は歯肉炎と呼ばれ、歯茎の赤みや腫れ、ブラッシング時の出血などが症状として挙げられます。
進行すると歯周炎になり、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)を溶かし始め、歯がグラグラと揺れたり、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。残念ながら、一度溶けてしまった骨は、自然に元に戻ることはありません。
歯肉炎の段階でケアを始めれば健康な歯茎を取り戻せます。しかし、痛みを伴うといった自覚症状がほとんどないため、放置してしまう方も多いので、注意しましょう。歯周病は、早期発見・早期治療が重要になります。
間違ったセルフケア
上でもお伝えしたとおり、歯周病は、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌が原因で起こります。そのため、歯周病を予防するには、歯垢をきちんと取り除くことが重要になります。
しかし、歯をきれいにしようとゴシゴシと力を入れて磨いてしまうと、歯の表面を傷つけてしまうだけでなく、歯肉退縮(しにくたいしゅく)を起こす原因にもなります。歯肉退縮とは歯茎が下がってしまい、歯の根元が露出してしまう状態のことをいいます。
歯肉退縮になると、見た目が悪くなるだけでなく、知覚過敏で冷たいものがしみたり、歯周病や虫歯のリスクが高まったりと、様々なトラブルを引き起こしてしまうので、くれぐれも力を入れて歯を磨くのは避けましょう。
歯肉退縮については、歯肉退縮(しにくたいしゅく)の放置は危険のコラムで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
加齢による変化
加齢とともに唾液の分泌量が減っていきます。唾液は、お口の中を洗浄したり、酸性に傾いたお口の中を中性・アルカリ性に戻す再石灰化の作用があり、虫歯になるのを未然に防ぐ重要な役割を担っています。
そんな唾液が減少してお口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい環境になり、虫歯や歯周病になるリスクが高まってしまいます。お口の乾燥はドライマウス(口腔乾燥症)と呼ばれ、様々な問題を引き起こすので注意が必要です。
また、年齢を重ねると、肌と同じようにハリのあった歯茎が弾力を失い、上述の歯肉退縮が起きやすくなります。今まで歯茎に隠れていた歯の根元部分が露出して、歯が長く見えるようになるので、審美面にも影響が出てきます。
唾液の働きとドライマウスについては、町田歯科ブログで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
ホルモンバランスの変化による影響
女性は妊娠や出産、月経周期などによってホルモンバランスが大きく変化します。 特に、妊娠中は女性ホルモンの影響で歯周病菌が増殖しやすく、歯肉炎になりやすい傾向にあります。
妊娠中の歯科治療については、町田歯科ブログでも詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
薬の副作用
高血圧の治療薬や抗てんかん薬、免疫抑制剤など薬の副作用によって歯茎が腫れてしまうケースもあります。
歯茎が腫れる症状を歯肉腫脹(しにくしゅちょう)といいますが、これらの薬剤による歯茎の腫れは薬物性歯肉増殖症、または薬物性歯肉肥大と呼ばれます。
歯肉腫脹や高血圧については、町田歯科ブログでも詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
歯周病による歯茎の腫れ・出血の対処法
歯周病治療の基本はプラークコントロール、つまり、お口の中の細菌を減らすことです。ここでは、実際の治療法について紹介します。
歯周病の原因や対処法については、歯周病は治療が可能のコラムでも詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
TBI(Tooth Brushing Instruction:歯磨き指導)
毎日の歯磨きによるセルフケアがプラークコントロールの基本です。しかし、正しいブラッシング方法を知らない人は意外と多いものです。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握り、毛先を歯と歯茎の境目に当てて小刻みに動かします。 歯と歯の間や奥歯など、磨きにくい部分は特に丁寧に磨きましょう。
歯科医院でTBI(Tooth Brushing Instruction:歯磨き指導)を受けるのもおすすめです。歯磨きだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで歯垢除去率がアップします。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用法については、町田歯科ブログでも詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
歯のメインテナンスのページでもお伝えしていますが、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、歯科医師や歯科衛生士が、歯科専用の機器で歯のクリーニングを行う処置のことを指します。
PMTCでは、歯周ポケットの中など、ご家庭でのブラッシングでは取り除けない部分の歯垢(プラーク)や歯石も除去できます。定期的にお口の中をクリーニングすることで細菌の繁殖を防ぎ、虫歯や歯周病を予防します。
スケーリングとルートプレーニング(SRP:Scaling and Root Planing)
スケーリングとルートプレーニング(SRP:Scaling and Root Planing)は、歯周病治療の基本となる処置です。
スケーリングは、歯の表面に付着した歯石やプラークを除去するための処置で、歯周病の進行を抑えることを目的としています。ルートプレーニングは、歯根(しこん:歯の根っこ)に付着した歯垢や歯石を徹底的に除去し、滑らかにすることで歯周組織を回復させることを目的としています。
フラップ手術
歯周ポケットが深くなってしまうと、スケーリングやルートプレーニングだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くのが難しくなってしまいます。
そのような場合に行われる処置がフラップ手術です。歯茎を切開して歯根を露出させ、直接目視しつつ、歯石や感染した組織を取り除きます。
下がってしまった歯茎への対処法
下がってしまった歯茎を元の状態に戻すにはどのような治療法があるのでしょうか?ここでは、歯科医院で行われている主な治療法を3つご紹介します。
歯周組織再生療法
歯周病などで失われた歯周組織の再生を目指す治療法です。代表的なものにGTR法とエムドゲイン法があります。
GTR法は、歯周病で失われた骨や歯肉の部分に特殊な膜(メンブレン)を設置することで他の組織が入り込むのを防ぎ、歯を支える骨や歯肉の再生を促す治療方法です。
エムドゲイン法は、特殊なタンパク質を歯根に塗布することで、歯周病で溶けてしまった歯槽骨や歯根膜などの再生を助けます。骨の欠損が比較的小さい場合に有効です。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸を注入することで、歯茎のボリュームを補う治療方法です。美容で使われるものと同じように安全性の高いヒアルロン酸を使用するため、体への負担が少ないのが特徴です。
ただ、注入されたヒアルロン酸は、時間の経過とともに体内に自然に吸収されていくため、効果を持続させるためには、定期的な注入が必要です。
歯茎が下がってしまうことにより生じる歯の隙間をブラックトライアングルと呼びますが、さほど多くはないものの、このブラックトライアングルの治療にもヒアルロン酸注入を行うことがあります。
ブラックトライアングルについては、ブラックトライアングルとは?のコラムで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
歯茎の移植
上顎の天井部分など、比較的厚みのある部分から歯茎を採取し、歯茎が下がってしまった部分に移植する治療方法です。
自分の組織を使うため、拒絶反応が起こりにくいのがメリットです。特に奥歯の歯茎が下がってしまった場合に行われます。
歯茎の腫れや出血、歯茎の後退などの症状でお悩みの方は町田駅徒歩3分の町田歯科へ
歯茎の腫れ、出血、後退、これらの症状に悩まされている方は、決して少なくありません。これらの原因は、歯周病や加齢、間違った歯磨きなど様々です。
特に注意が必要なのが歯周病です。歯周病は、歯茎だけでなく、歯を支える骨までも溶かしてしまいます。お伝えしたように、初期段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうケースも多く、注意が必要です。
早めに治療を始めれば、歯周病の進行を食い止め、健康な状態を保つことができます。歯茎のトラブルは、放置せずに町田駅徒歩3分の町田歯科にご相談ください。