「歯医者の数は、コンビニよりも多い…」。そんな話を聞いたことはありませんか?
これは、歯科医院の数がどれくらい多いのかを示すために、しばしば耳にするフレーズです。
では、なぜこれほどまでに多くの歯科医院があるのでしょう?
そして、今後も増えるのでしょうか、逆に減少するのでしょうか?
今回は、歯科医院の数がどのように変化してきたか、また、今後の歯科医院数の見通しについてお話ししたいと思います。
歯科医院は多いのか?少ないのか?
歯医者は多いという話は本当なのでしょうか。実際に見てみましょう。
歯科医院の数とコンビニの店舗数を比較

冒頭でも触れたように、歯科医院の数を説明する際、よく比較されるのがコンビニの店舗数です。
歯科医院の数は厚生労働省が公表する厚生労働省が公表する『施設動態調査』から、コンビニの数は一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の発表から知ることができます。
施設動態調査によると、2026年4月時点での全国の歯科医院数は65,071軒。一方、全国のコンビニエンスストアの店舗数は、2026年7月の時点で56,162店でした。この結果から、歯科医院はコンビニよりも約9,000軒も数が多いことが分かります。
ただし、数字をどのように捉えるかは別の問題です。なぜなら、日本でコンビニが本格的に普及したのは1980年代以降で、医療施設である歯科診療所は、もちろんそれ以前から各地に存在しています。見方によっては「後発であるコンビニが急速に店舗数を増やした」という考え方も成り立つでしょう。
人口当たりの歯科医師の数はどれくらい?~諸外国との比較

歯科医院の数が適正かどうかは、他の業種との単純な比較だけでは判断できません。人口や患者数、地域分布、受診状況なども考慮する必要があります。
また、国によって医療制度や施設の定義が異なるため、歯科診療所の数だけを単純に比較するのも難しいところです。
そこで、人口10万人あたりの歯科医師数に注目してみたいと思います。日本の歯科医師数は、諸外国と比較してどの程度なのでしょうか?
人口10万人あたりの歯科医師数
| 日本 | 80人 |
|---|---|
| アメリカ | 60人 |
| イギリス | 50人 |
| ドイツ | 85人 |
| ベルギー | 105人 |
| オーストラリア | 50人 |
| スウェーデン | 80人 |
| フィンランド | 70人 |
| ノルウェー | 90人 |
いかがでしょうか。主要先進国と比べても、人口比の歯科医師の数は、日本が突出して多いとは言い切れないのがお分かりいただけるかと思います。
歯科医院の数が多くなった理由
では、どうして日本で歯科医院が増えたのでしょうか?次はその背景について見ていきましょう。
「虫歯の洪水」を防ぐための歯科医師の増員

かつて日本では、「虫歯の洪水」と言われた時代がありました。戦後の高度経済成長期の頃、ライフスタイルの変化によって糖分の多い飲食物が家庭に広まり、さらに現在のような予防歯科の概念も希薄だったため、国民の虫歯が爆発的に増えたのです。
急増した患者に対応するため、国は歯科医師の養成数を拡大しました。歯科大学の定員数を増やしたほか、歯科医師国家試験を年2回実行することで歯科医師を増員したのです(現在、歯科医師国家試験は年1回です)。
この結果として、歯科医師が増加し、それに伴って歯科医院の数も増えていきました。
歯科医師の増加が歯科医院の増加へ

歯科医師の勤務先としては、歯科医院(歯科診療所)、病院、大学、行政機関、企業などが挙げられます。
ただ、特徴的なのは、令和6年の厚生労働省の「歯科医療提供体制の現状について」にあるように、歯科医師は歯科医院に勤務する割合が非常に高い(8割以上)ということです。歯学部附属病院と一般病院を合わせても、そこに勤務している歯科医師の数は、全体の15%にも届きません。
多くの歯科医院は小規模

さらに、その歯科医院も大多数が常勤歯科医師が1~2人の小規模な歯科医院です。そのため、歯科医師が増加すると、それに伴って新たな歯科医院が開設されやすくなります。
つまり、日本で歯科医院が増えてきた背景としては、歯科医師の増加に加え、歯科医師の多くが歯科医院を勤務先にしていること、そして小規模な歯科医院が多いことが理由として考えられます。
これからは歯科医院減少の時代へ
歯科医院の数は平成22年まで一貫して増加傾向にありましたが、その後はほぼ横ばいになり、近年は微減で推移しています。
歯科医院はなぜ減り始めたのか?
歯科医師が増員し、それに伴って歯科医院が増えた結果、国民の虫歯は大幅に減少しました。
これ自体は成果として喜ばしいことなのですが、その後、虫歯になる人の減少や人口構造の変化などを背景に、歯科医師の需給について見直しが進められていくことになります。
歯科医師の人数を削減

そこで国は、歯科大学の過剰を抑えるための定員削減に着手しました。しかし、それだけでは歯科医師の増加を抑えることができず、次に歯科医師国家試験の合格者数も削減しました。つまり、新たに歯科医師となる人の数を一定数に抑える施作が進められたのです。
一方で、歯科医院では院長の高齢化が進みました。このような医院では、後継者不足により閉院するケースも増えています。
つまり、歯科医師の減少による新規開業の減少と、それを上回る閉院数の増加により、歯科医院は減り始めているのが現状ということです。
少子化により定員増加は困難に

ここまで読んでくださった方なら、「歯科大学の定員を増やせば、歯科医師も増えるのでは?」とお考えになるかもしれませんが、実際はそんなに簡単ではありません。
その理由のひとつが少子化です。18歳人口が減少しているため、歯科大学の定員を増やしても、歯科医師を目指す受験者が増えるとは限りません。
さらに、定員を増やすのであれば教員の確保も必要になります。しかし、歯科医師の高齢化などを背景に、教員を担える人材の確保も容易ではなくなってきています。
歯科大学を増やした数十年前と現在では、状況が大きく異なっているわけですね。
合格率を上げても歯科医師の減少は止まらない

現在、歯科医師国家試験の新規の受験者は2,000人を下回っており、合格者数は1,500人以下となっています。既卒者を含めると毎年3,000人ほどが受験し、そのうち新たに歯科医師となるのは1,800人ほどです。
歯科医師を増やすために合格者数を大幅に増やすには、国家試験の合格者数を引き上げる必要があります。しかし、国家試験は歯科医師として必要な知識や能力を担保する役割もあるため、簡単に合格率を上げることはできません。

仮に合格者数を1割増やしたとしても、厚生労働省の試算では、歯科医師の減少傾向を緩やかにする程度の効果にとどまるとされています。
現状の合格者数であれば、現在10万人以上いる歯科医師は5年後には10万人を下回るとの試算もあり、歯科医師減少は止められないと思われます。歯科医師の減少は、歯科医院の減少にもつながっていくでしょう。
町田歯科はこれからも皆さんの歯の健康を守り続けます

今回は、歯科医院の数の変遷と今後の予想についてお話ししました。どうして歯科医院が増えたのか、その背景に何があったのか、ご理解いただけたかと思います。
後半でお伝えしたように、日本社会の変化に伴い、増加の一途をたどった歯科医院数も、少子化による人口の減少や、歯科医師の高齢化・後継者不足などにより、減少傾向にあります。
無歯科医地区(歯科医師がいない、または非常に少ない地域のこと)も大都市圏以外の都道府県に拡大しており、歯科医師不足が社会問題化するのも遠くない話かもしれません。

このような歯科医院の状況をお聴きになると、心配になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、町田歯科は、多くの専門医・歯科衛生士が在籍し、複数のユニットも備え、歯のお悩みを抱える様々な患者さんに対応できる体制を整えておりますから、ご安心いただけたらと思います。
これからも町田歯科は多くの患者さんの歯の健康を守り続けていく所存ですので、町田で歯医者をお探しの際は、町田駅すぐそばの町田歯科へお気軽にご来院ください。








