歯科医院では、歯科医師の他、歯科助手や歯科衛生士がチームとなって歯やお口の治療にあたります。町田歯科でも、歯科医師や衛生士のチームワークにより、患者さんに最良の治療を提供するよう、スタッフ一同心掛けています。
しかし、患者さんから見れば、歯科衛生士も歯科助手も「歯科医師をサポートするアシスタント」のように見えるかもしれません。実際に歯科衛生士と歯科助手の違いをきちんと理解されている方は少ないように思います。
一見同じに見える両者ですが、決定的な違いがあります。そこで今回は、歯科衛生士と歯科助手の違いについてご紹介します。
歯科衛生士と歯科助手の最大の違いは国家資格の有無
歯科衛生士と歯科助手の最大の違いは「国家資格を保有しているかどうか」という点です。歯科衛生士として働くには、国家試験に合格する必要があります。
一方の歯科助手には必須の資格はありません。民間団体が設けた資格はありますが、必須ではないため、歯科医院や医療機関に採用されれば、どなたでもすぐに歯科助手として業務に携わることができます。
歯科衛生士は3年以上の専門教育が必須、歯科助手は学歴不問
歯科衛生士の資格や業務は歯科衛生士法によって定められ、厚生労働省が所管しています。歯科衛生士資格を得るには、厚生労働省が指定する教育機関(専門学校、短期大学、4年生大学のいずれか)で3年以上学ぶ必要があります。
その内容は、歯科医療に関する基礎知識から医療機関においての臨床実習まで多岐にわたります。専門的な教育を受け、試験に合格することで、歯科衛生士となることができます。
歯科助手の場合は、歯科衛生士のような専門的な教育や資格は必要ありません。歯科助手の専門学校や通信教育もありますが、卒業資格が必須ではないため、一般の大学や短大、高等学校を卒業した場合でも、歯科助手として勤務できます。
歯科衛生士の仕事とは?
歯科衛生士の仕事の内容について解説します。歯科衛生士の業務は主に「歯科予防処置」「歯科保健指導」「歯科診療補助」の3つです。
歯科予防処置
歯科予防処置とは、虫歯や歯周病を防ぐための処置です。代表的な歯科予防処置は、スケーリングやルートプレーニングという歯石取りです。
歯石の除去はスケーラーという専用の器械を使わなければなりませんが、歯科衛生士はこれらを使って歯石を除去できます。そしてPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)という、歯科用の専用機器とペーストを用いて、歯の表面をツルツルした状態になるまで磨く処置も行います。
また、虫歯予防に効果的なフッ素を歯に塗ることもできます。歯科衛生士は歯のメインテナンスやクリーニングを通して、歯のトラブルを防ぐ仕事を担当しているのです。
歯科保健指導
歯科保健指導は、個人や大勢を対象に、歯やお口の健康を保つために必要な知識や技術を説明し、日常生活に反映してもらうことを指します。
代表的なものとしては、ブラッシングの説明や指導(TBI)が挙げられます。日常の歯磨きで効果的に歯をきれいに保つことができるよう、使いやすい歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを紹介し、それらの使い方などを説明していきます。
一人一人に行うこともあれば、学校や自治体の健康講座などで、大勢の方に説明する場合もあります。皆さんも小さい頃、学校でこのような説明を受けたことがあるかもしれませんね。
この他、食生活の改善についての相談や、歯科全般の健康教育なども、歯科衛生士が担当します。
歯科診療補助
歯科診療補助は歯科医師の診療をサポートする仕事です。歯科衛生士は、歯科医師の指示のもとであれば、患者さんの口腔内に触れる医療行為が認められています。
詳しくは後述しますが、歯科助手は医療行為に抵触しない範囲でのサポートしか行えません。
例えば、虫歯で詰めものや被せものの治療をするとします。この時、歯科助手は歯型を取ることはできませんが、歯科衛生士は歯型を取ることができます。入れ歯も同様で、歯科助手には認められていませんが、歯科衛生士は歯型を取ることができます。
詰めものの型取りをした後に入れる仮の詰め物や、被せものの型取りをした後の仮歯も歯科衛生士は作ることができます。
分かりやすく言うと、歯科助手ができることは歯科衛生士は全てできると考えていただければ良いでしょう。
歯科助手の仕事とは?
続いて歯科助手が担当する業務についてお話しします。歯科助手の主な仕事は「受付や事務作業」「診療補助」「医療器材のメンテナンス」などが挙げられます。
受付業務や事務作業
歯科助手の仕事としてまず挙げられるのが、電話応対、予約などの受付業務などの事務作業です。電話や予約の対応は、患者さんとの最初の接点です。皆さんも、電話をしたり、予約の際に対応が悪ければ、そのクリニックには行きたくなくなってしまうのではないでしょうか?
しっかりとした対人スキルが求められるので、受付や事務処理も歯科医院にとって大切な仕事なのです。他にカルテの管理や各種支払いなどの会計業務、シフト管理などの作業も、歯科助手の業務範囲に含まれます。
歯科診療補助
続いて挙げられるのが、歯科医師や歯科衛生士の歯科診療補助、つまり診療のサポートです。ただし、医療行為に抵触しない範囲でのサポートになるため、歯科衛生士が行う補助業務よりも範囲が狭くなります。
例えば、歯を削る時はたくさんの水を使いますが、これは、削る時の摩擦熱で歯が火傷したり、削る器具が焼き付けを起こしたりするのを防ぐためです。
水はどんどんお口の中に溜まりますので、そのままにしていると息苦しくなりますし、治療にあたっている歯科医師も視界が悪くなります。
そこで、お口に溜まった水や唾液を吸い出すのですが、歯を削りながら吸い出すため、一人でそれをこなすのはなかなか大変です。そんな時、歯科医師の側で歯科助手が排唾菅(はいだかん)を使い、お口の中から水や唾液を吸い出します。
その他にも患者さんの誘導や、歯型取りの準備、接着剤を混ぜるなど、補助的な作業は多く、歯科助手は、患者さんのお口の中を直接触らずにできる各業務を行います。
歯科医療器材のメンテナンス
歯科助手は診療に使う器材の準備に加え、診療を終えた後の器材の洗浄や消毒、滅菌などのメンテナンスも行います。
町田歯科は各職を担当する人材のチームワークを大切にしています
今回は、歯科衛生士と歯科助手の違いについて解説しました。患者さんからご覧になると、歯科衛生士も歯科助手も、歯科医師のサポートという立場に見えるかと思いますが、今回のコラムでその違いがお分かりになったでしょうか。
歯科助手には国家資格はありませんが、歯科衛生士には国家資格が必要で、対応できる業務の内容も異なります。歯科衛生士は医療業務従事者であり、歯科助手はそれ以外の業務を執り行います。
もちろん、歯科助手も歯科衛生士も、歯科医療を支えている大切な職種であることは変わりありません。町田歯科はコンプライアンスを重視しており、歯科助手と歯科衛生士の業務について、法律を遵守して診療にあたっています。
そして歯科医師、歯科衛生士、歯科助手の緊密なチームワークにより、町田歯科は患者さん一人一人を大切にする歯科治療を提供していますので、歯のお悩みがある方は、どんな小さなことでもお気軽に町田歯科にご相談ください。