虫歯治療や根管治療、親知らずの抜歯などの際は、患者さんに痛みを感じさせないために麻酔を行います。歯茎に直接注射する麻酔のことを局所麻酔といいますが、局所麻酔を行うことで、痛みを取るだけでなく、出血を抑えることもでき、安全に治療を進められるのです。
町田歯科は極力痛みのない治療を徹底し、そのための「痛くない麻酔」に定評があります。ただ、この局所麻酔の注射をされた時、心臓がドキドキするような感覚を覚えるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?病気やアレルギーなどを懸念される方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな皆さんのために、なぜ局所麻酔で動悸を感じるのかについて解説していきます。
歯科で用いる局所麻酔って?
歯科治療ではリドカインという局所麻酔薬が最も多く、一般的に使われています。リドカインは液体で、細い針で歯茎に注射します。そして局所麻酔をした部分は、しばらくの間、痛みや感覚を失います。
歯科治療で使われるリドカインにはアドレナリンが含まれていることが多く、約2〜4時間効果が続くので、その間は、麻酔した周囲の感覚が全くない状態が保たれます。
麻酔後に動悸がする理由
歯科の局所麻酔でドキドキと動悸がする理由はいくつかありますが、大きく分けると、以下の3つが考えられます。
ストレスや不安
町田歯科は、歯医者が苦手な方もお気軽にご来院いただける歯科医院であることをスタッフ一同で目指していますが、一般的に言えば、歯科治療が好きな方というのはなかなかいらっしゃいません。
やはり歯科治療は、多くの人にとってストレスや不安を引き起こすことが多いものです。麻酔注射や治療に対する不安と緊張から、興奮すると鼓動が速くなるため、動悸を感じることがあります。
アドレナリン
先ほどお伝えしたように、歯科治療で使われる局所麻酔には、アドレナリンが含まれていることが多く、アドレナリンには心臓に作用して心拍数を増やす働きがあります。
また、アドレナリンには血管を収縮させる効果があるため、血圧を上げる働きもあります。これらの作用によって、心臓がドキドキしていると感じることがあります。
ただ、この血管収縮効果により、出血を抑えることができ、麻酔の効果持続時間も長くなります。冒頭で述べたとおり、きちんと麻酔の処置をするのは、安全な治療につながるのです。
異物・刺激への反応
麻酔注射の際や治療中、人間の身体は異物や刺激に強く反応することがあり、これが心拍数の増加や、動悸を感じる原因にもなります。
動悸を感じたらどうすればいい?
担当医師に伝える
局所麻酔をした後に、動悸を感じて不安になった場合は、すぐに歯科医師に伝えましょう。薬の作用としては、通常10〜20分ほどでドキドキとした動悸は収まってきます。
それでも動悸が収まらない場合は、不安や緊張が原因であることが多いので、それも歯科医師に伝えるようにしてください。不明点や疑問に感じていることがあれば、歯科医院で相談し、なるべく早く解決するようにしましょう。
もちろん町田歯科では、しっかりとしたカウンセリングの下、患者さんのお気持ちを最優先した治療を行いますので、遠慮なくお伝えいただければと思います。
鼻から深呼吸する
深呼吸をすることで、気持ちを落ち着かせることができます。その際は、鼻で深呼吸するのがポイントです。
口で呼吸をすると、唾液や口の中に流れた局所麻酔薬を吸い込み、むせてしまうことがあります。また、局所麻酔は苦い味もするので、なるべく鼻でゆっくり呼吸するようにし、麻酔が終わってからうがいをするようにしましょう。
音楽等でリラックスする
これは歯科医院によりますが、ご自身でイヤホン等をご持参いただき、好きな音楽を聴きながら治療を受けることもできます。もちろん町田歯科では、音楽を聴きながら治療を受けていただくことができますので、お気軽におっしゃってください(治療中、お声がけをした際にイヤホンを取ってくだされば問題ありません)。
また、耳栓をして外の音を遮断することも、不安を和らげるのに効果的です。別の麻酔を併用し、より落ち着いた状態で局所麻酔を行うこともできます。
動悸以外の症状
稀なケースですが、ドキドキする以外にフラフラとめまいがしたり、吐き気が出る場合があります。これらの症状についてもお話ししておきましょう。
迷走神経反射
迷走神経反射は、局所麻酔が原因ではなく、過度な緊張や不安が原因で起こります。アレルギーと間違える方が多いのですが、あくまでも一過性のものです。
迷走神経反射は血管迷走神経反射とも言われ、緊張やストレスが極端に大きくなった結果、血圧が低下し、心拍数や脈拍が下がる状態を指します。脳に向かう血流も減少し、貧血状態となるため、失神や顔面蒼白、冷や汗、ふらつきやめまいといった症状が現れることがあります。
しかし、刺激が取り除かれると症状が改善することが多いので、しばらく安静にしていただき、体調が元に戻ったら治療を再開することができます。
局所麻酔中毒
頭痛や呼吸困難、意識障害などが現れると、局所麻酔中毒の可能性があります。必要に応じて酸素を吸入したり、点滴を行うこともあります。
ただ、局所麻酔中毒になるのはごく稀なことです。局所麻酔を10本以上打つといった特殊な状況で起こり得るようなことなので、一般的な歯科治療で発生することはほとんどありません。
麻酔が不安な方も、安心して町田歯科にご相談を
今回は、歯科の局所麻酔で動悸を覚える理由や対処法についてお伝えしました。局所麻酔でドキドキと動悸がするのは、アレルギー等ではなく、基本的には不安やストレス、薬剤の作用が原因で、極端な症状が出ることは極めて稀であるとお分かりいただけたのではないでしょうか。
とはいえ、やはり麻酔や歯科治療が苦手で、抵抗感があるとお感じになる方もいらっしゃるでしょう。冒頭でもお伝えしたとおり、町田歯科は、痛くない麻酔・痛くない治療を徹底しておりますので、歯科医院に通うのが苦手だと思う方も、安心してご来院ください。
また、高血圧などの全身疾患がある方や、小さなお子さんでは、使用できる麻酔の量が変わってきます。町田歯科では、診療時に患者さん一人一人にしっかりとしたカウンセリングを行うことを心がけておりますので、麻酔に関しても、不安や疑問がある方は、お気軽にご相談いただければと思います。