歯並びを整えると、口元の印象だけでなく、お顔の印象や雰囲気も変わります。これは、歯並びや口元の骨格が、顔つきにとても影響するからです。
町田歯科でも、歯並びや顎の骨格に起因するお顔の印象について、ご相談が多く寄せられます。最近は美意識の高まりもあり、女性だけでなく、男性の患者さんも、より素敵な表情を手に入れたいとのご要望から、ホワイトニングや審美歯科を受診されるケースが増えています。
たしかに口元が綺麗になると、表情が変わり、お顔の印象も大きく変わるものです。そこで今回は、お顔に対する歯並びや骨格の影響を中心にご説明します。
お顔のタイプを分類すると…
顔は人それぞれ違うものですが、分類すると9タイプに分かれます。
お顔の正面
まず、お顔の正面は縦方向の長さで分類します。こちらは、
- 短い(ショートフェイスタイプ)
- 正常
- 長い(ロングフェイスタイプ)
の3つに分けられます。
横顔
横顔は、お顔の凹凸で分類します。具体的には、お顔を上顔面部(目から上)、中顔面部(目から上口唇あたり)、下顔面部(下口唇あたりから下)と3分割し、その前後関係を評価します。すると、
- コンベックスタイプ
- ストレートタイプ
- コンケイブタイプ
という3タイプに分けられます。
コンベックスタイプは、中顔面部が前に出ている(口元が出ている)横顔です。ストレートタイプは、バランスが良く、凹凸がない横顔。コンケイブタイプは、下顔面部が前に出ている(顎が出ている)横顔のことをいいます。
9種類のお顔のタイプ
顔は、縦の長さと横顔の凹凸の組み合わせで分類されます。どちらも3タイプずつなので、3×3の組み合わせとなり、9になります。お顔を分類すると9タイプというのはこのためです。
顔つきを変える要素とは
それでは、顔つきを変える要素とは具体的に何でしょうか?顔つきに影響する要素はいくつかありますが、特に影響しやすいのが口元です。
というのも、口元から上の骨格は、遺伝的に決まっていて変化しにくいのに対して、口元を構成する顎や歯並びは、成長発育によって変化しやすいからです。
顎の骨格
顎変形症(がくへんけいしょう)についてのコラムでも解説していますが、上顎骨(じょうがくこつ:上あごの骨)もしくは下顎骨(かがくこつ:下あごの骨)の形や位置関係、大きさに異常がある場合、顔つきや表情に影響が出てきます。
例えば、上顎骨に問題のある上顎前突症(じょうがくぜんとつしょう)では、中顔面部が出たコンベックスタイプになります。また、上顎骨が正常でも、下顎骨が下がっていれば、こちらもコンベックスタイプとなります。
このように、顎の骨格は顔つきに影響を与えるものなのです。
歯並び
歯並びもまた、顔つきに関連してきます。
例えば、反対咬合(はんたいこうごう)、いわゆる受け口の中には、下顎の前歯が上顎の前歯を覆い隠すほど噛み合わせが深くなっている(下顎前突:かがくぜんとつ)ケースがあります。
このような歯列不正では、顔の長さは短く、横顔は下顎が前に出ているので、コンケイブタイプとなります。
顔つきが意味すること
先ほど説明した顔つきの組み合わせのうち、縦の長さが正常で、横顔の凹凸がストレートの組み合わせが平均的な顔とされています。
もし、これ以外の組み合わせに当てはまる場合、骨格や歯並びのいずれか、もしくは両方に何らかの異常があるということが考えられます。
おすすめの横顔のチェック法・Eライン
お顔の長さをセルフチェックするのは難しいですが、横顔なら比較的簡単にセルフチェックする方法があります。それはEラインです。
Eラインとは?
Eラインは、鼻先と顎先を結ぶ直線のことを指します。この直線と唇が、どのような位置関係になっているかをチェックするのが、Eラインによる横顔チェック法です。
この方法は、1954年にアメリカの矯正歯科医であるリケッツ先生が考案しました。とても簡単な方法なので、50年以上経った現在でも広く利用されています。
Eラインの目安
リケッツ先生は、Eラインより上口唇が4mm後ろ、下口唇が2mm後ろが理想的であるとしました。ただし、この基準は白人の横顔で考えられたもので、日本人の理想的な横顔とは少し差があります。
日本人の場合では、Eラインより上口唇が2mm後ろ、下口唇がEラインにピッタリが理想的とされています。ただし、Eラインと口唇の理想的な位置関係は、時代とともに変わっていき、明確なものではないのでご注意ください。
Eラインでのチェック方法
Eラインでのチェックの仕方は、2つあります。
1.定規だけを使う方法
鼻先から顎先に定規を当てて、上口唇と下口唇が触れるかどうかをチェックします。触れなければ唇が下がっている、触れれば唇が前に出ているという判断になります。
この方法は簡単なのですが、どれくらい下がっているか、どれくらい出ているかはわからないのが難点です。
2.写真を使う方法
横顔の写真を利用し、鼻先から顎先に直線を引いてチェックする方法です。この方法なら、Eラインと上口唇や下口唇の位置関係を、数値化して見ることができます。
一方、真横から写真を撮らなければならないので、撮影が難しいのが難点です。
顔つきを変えるには?
では、横顔などお顔の印象を変えて、より良い顔つきにするにはどうすれば良いのでしょうか?
矯正歯科
歯並びに問題があり、顔つきに何らかの影響が出ている場合は、矯正歯科による歯列矯正での改善が効果的です。町田歯科の矯正情報特設サイトでは、より詳しい説明を掲載しておりますので、併せてご参照ください。
様々な矯正歯科のコラムでもお伝えしてきたとおり、歯列矯正の方法はいくつかあります。
代表的な方法の一つは、マルチブラケット法です。歯の表面に「ブラケット」という金具をつけて、ブラケットの溝に弾性ワイヤーを通し、ワイヤーの弾力性で歯並びを整える治療法(いわゆるワイヤー矯正)になります。
最近ではブラケットとワイヤーに代わり、有名なインビザラインなど、マウスピースを使って歯並びを整えるマウスピース矯正も注目されています。どちらの矯正法が良いか気になる方は、比べてみよう!マルチブラケット矯正とマウスピース矯正のコラムでも比較解説をしていますので、ご覧ください。
また、小さなネジのような形をした歯科用アンカースクリューを使って、歯並びを整えるインプラント矯正もあります。
インプラント矯正なら、出過ぎた歯を効率的に押し下げたり、大臼歯という奥歯を後ろに動かしたりすることも可能になります。
顎矯正手術
骨格に問題があり、顔つきに影響が出ている場合は、骨格も改善させる必要があります。そこで用いられるのが、顎矯正手術(がくきょうせいしゅじゅつ)です。
顎変形症(がくへんけいしょう)についてのコラムで詳しく解説していますが、上顎骨であれば、ルフォーⅠ型骨切り術や上顎前歯部歯槽骨骨切り術(じょうがくぜんしぶしそうこつきりじゅつ)が選ばれます。下顎骨に対しては、下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ:SSRO)、下顎枝垂直分割術(かがくしすいちょくぶんかつじゅつ:IVRO)を用います。
単独で手術することもあれば、上顎と下顎の両方の骨格を同時に手術することもあります。また、骨格に問題があるケースでは、歯並びに問題が生じているので、手術前後に歯列矯正を行い、歯並びを整えます。
歯並びや骨格で顔つきが気になる方もご相談を
今回は、お顔のタイプや顎の骨格、歯並びによる影響についてお話ししました。再度まとめますと、お顔は9タイプに分けられ、正面からセルフチェックするのは難しいですが、横顔ならEラインを使って比較的簡単にセルフチェックできます。
もし、お顔つきが気になる方は、一度Eラインをチェックしてみてはいかがでしょうか?
Eラインで、横顔がストレートタイプ以外は、骨格や歯並びに何らかの問題がある可能性が考えられ、改善するには矯正治療を受けた方がいいかもしれません。
町田歯科は、歯だけでなく、骨格を含めた矯正治療の専門知識や治療経験が豊富な歯科医院です。もし、歯並びや顎の骨格が理由で、顔つきが気になるとお感じの方は、町田歯科にお気軽にご相談ください。
矯正歯科の特設情報サイトをオープンしました
おかげさまで多くの患者さんに町田歯科・矯正歯科の矯正治療を受診いただいております。それに伴い、患者さんより矯正について様々なご質問をお受けする機会も増えており、矯正治療情報に特化した情報サイトを開設いたしました。
町田歯科ならではの矯正の特長や矯正の種類、実際の矯正治療例や、料金・ローンシミュレーションなど、より詳しく解説しておりますので、併せてご参照いただければと思います。