毎日のオーラルケアに欠かせない歯ブラシ。皆さんは、そんな歯を磨いた後の歯ブラシにどれくらい細菌が付着しているかご存じでしょうか?
驚くほど多いお口の中にいる細菌!のコラムでも解説したように、お口の中には大変多くの細菌がいます。そして、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)1mg中には、実に10億個の細菌がいると言われています。
つまり、歯を磨いた後の歯ブラシには、数万〜数億個の細菌が付着している可能性が高いのです。
汚れたままの歯ブラシは、細菌の温床になりかねません。そして、次に歯を磨く時に、細菌も一緒にお口の中に入ってしまうことも十分考えられます。
そこで今回は、歯ブラシの正しいお手入れについてご紹介します。歯ブラシの洗い方によって細菌数にどれくらい差が生じるのか、歯ブラシを清潔に保つための方法などをしっかり理解しておきましょう。
歯ブラシについている細菌の数は?

では実際に歯磨き後の歯ブラシには、どれくらいの細菌が付着しているのでしょうか?
ここでは、広島大学歯学部小児歯科の「小児における歯口清掃器具の洗浄と保管に関する細菌学的調査」のデータをご紹介します。
この研究は、4歳〜12歳までの45名を対象に、歯ブラシにどれくらいの細菌が残っているのかを、使用後の歯ブラシを回収して調べたものです。
研究によると、歯磨き後に洗浄した歯ブラシに付着していた細菌の数は平均して約50万個でした。歯磨き後に水で洗った歯ブラシにも、大変多くの細菌が付着していることが明らかになったのです。
歯ブラシの洗い方と細菌数の関係

この研究では、歯ブラシに付着する細菌の数と、歯ブラシの洗い方による違いについても調べています。歯ブラシの洗い方は、
- 流水中で指で強く洗う
- 流水中で指で軽く洗う
- 流水に当てる
- コップに水をためてその中で洗う
この4パターンです。皆さんはどれが一番効果的だと思いますか?コラムを読むのを少し止めて考えてみてください。
…それでは答えをお伝えすると、最も細菌数が減ったのは、「1. 流水中で指で強く洗う」場合で、全く洗わない場合と比べて8分の1にまで減少しました。
また、3. の流水に当てるだけでも、全く洗わない場合と比べ、細菌数は5分の1にまで減っています。この結果から、水で流すだけでも効果があることがわかります。
なお、最も細菌の減り方が少なかったのは「4. コップに水をためてその中で洗う」で、細菌数は3分の2くらいにしか減少しませんでした。
歯ブラシの正しいお手入れ方法は?
ではここからは、歯ブラシのお手入れ方法についてご紹介しましょう。
流水で洗う

上でもお話ししたとおり、使用後の歯ブラシは流水で洗う方法が効果的です。水道水で20秒以上かけて汚れを洗い流しましょう。
特にヘッドの根元部分は毛が密集しているため、汚れが残りやすい箇所です。歯磨き粉や食べカスなどが残らないように、様々な角度から水を当てて洗い流してください。
風通しの良い場所で乾燥させる

流水で洗った後は、水気を切って風通しの良いところでしっかり乾燥させましょう。
他人の歯ブラシに触れないようにする

ご自分の歯ブラシは、他の人の歯ブラシに触れないように保管しましょう。それぞれの歯ブラシが互いに触れないように、歯ブラシスタンドなどを利用し、分けて保管すると良いですね。
洗面所が狭くて個々の保管スペースがないという場合は、歯ブラシ用のキャップをつけて保管します。細菌の繁殖を防ぐためにも、よく乾かしてからキャップを装着しましょう。
歯ブラシに消毒は必要なの?
歯ブラシのお手入れの基本は「水で洗うこと」と「しっかり乾燥させること」だとご理解いただけたかと思います。では、より清潔にするために、消毒は必要でしょうか?
熱湯消毒は可能?

熱湯による消毒は煮沸消毒とも呼ばれ、医療の現場でも行われている消毒方法のひとつです。
手軽に行えることから家庭でも行われている消毒方法ですが、プラスチック製品である歯ブラシには熱湯消毒は向いていません。
熱によって毛や柄が変形・変質する可能性があるため、熱湯による消毒は控えるようにしましょう。
電子レンジで加熱すると消毒できる?

では、マイクロ波によって熱を発生させる電子レンジはどうでしょうか?
こちらも解答をお伝えすると、電子レンジに入れて加熱しても、滅菌・消毒の効果は期待できません。
それだけではなく、歯ブラシの変形や変質のほか、最悪の場合は火災につながることもあります。熱湯消毒と同様に、電子レンジでの加熱は避けるようにしてください。
漂白剤での消毒は?

台所漂白剤などに使用されている次亜塩素酸ナトリウムには、高い殺菌作用があります。では、歯ブラシに台所用漂白剤を使用するのはどうでしょうか?
歯ブラシで最も汚れが付着するのは、毛が密集しているヘッドの部分です。この毛先1本1本に漂白成分を行き渡らせることは難しいですし、そもそも漂白剤には汚れそのものを取り除く作用はありません。
よって、漂白剤による歯ブラシの消毒は、あまり意味がないと言えます。
歯ブラシは月1回の交換が目安です

ここまでお読みになって、「細菌が付着している歯ブラシを使って大丈夫?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、驚くほど多いお口の中にいる細菌!のコラムでもお話ししたように、わたしたちのお口の中には、多くの種類の細菌が生息しており、そのすべてが悪い菌というわけではありません。ですから、極端に神経質になる必要はないのです。
また、歯ブラシは使い捨てを前提としたディスポーザブル品です。毛先が広がってきたり、汚れが目立ってきたら替え時です。1ヶ月を目安に新しい歯ブラシに交換しましょう。

「毛先も広がっていないし、気になる汚れもない」という方も、早めの交換をおすすめします。毎日使う歯ブラシは、見た目以上に劣化しています。毛先が広がった歯ブラシは汚れを掻き出す力が弱く、結果的に磨き残しが増えてしまうことにもなりかねません。
定期的に新しい歯ブラシに切り替えるだけで、歯垢除去力がぐっと上がりますよ!
毎日使う歯ブラシだからこそ正しいお手入れを

今回お伝えしたように、使用後の歯ブラシは「流水中で洗い、きちんと乾かす」のが最も有効なお手入れ方法です。そして、歯ブラシの毛先が広がってきたら早めに交換してください。月に1回の交換を心がけましょう。
オーラルケアの基本アイテムとなる歯ブラシは、歯の健康を保つために欠かせない存在です。正しいメンテナンス方法を理解して、日々きちんと歯磨きができる状態をキープしていただけたらと思います。
町田歯科・矯正歯科では、丁寧なカウンセリングに基づき、治療だけでなく、ご家庭での歯のセルフケアについてもしっかりとアドバイスをいたします。正しい歯磨きの方法や、おすすめの歯ブラシについて知りたいと思う方も、町田駅すぐそばの町田歯科へお気軽にご相談ください。








