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歯の治療全般

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と歯科の関係

「日中強い眠気に襲われる…」
「なんだか体がだるい…」
「家族からいびきを指摘された…」
こんなお悩みはありませんか?

もしかするとその症状、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)かもしれません。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に何度も呼吸が止まる病気です。

睡眠時無呼吸症候群によって慢性的な眠気やだるさ、集中力の低下などが引き起こされると、仕事や学業などの社会生活に支障が出てしまいます。実際、睡眠時無呼吸症候群が原因と思われる重大事故もしばしば起きています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠時に何度も呼吸が止まる病気です。

また、血液中の酸素が不足することによって心臓や血管に負担がかかり、心臓病や脳卒中、高血圧などの合併症を引き起こすリスクもあります。

ともすれば命にも関わる睡眠時無呼吸症候群ですが、どこで相談したら良いのでしょう?かかりつけの歯科医院でも治療できるのでしょうか。

今回は、睡眠時無呼吸症候群と歯科との関係についてご紹介します。気になる症状がある方は、医療機関への受診を急いでください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査と診断

睡眠時無呼吸症候群は医科で検査・診断

睡眠時無呼吸症候群は医科で検査・診断

睡眠時無呼吸症候群の検査は、睡眠中の脳波や呼吸状態などを調べる睡眠時ポリグラフ検査や、舌や気道の異常を調べる画像検査があります。しかし、いずれの検査も歯科医院では行っていません。

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断は、お近くの呼吸器内科や耳鼻咽喉科、医科の睡眠外来などで受診することになります。

睡眠時無呼吸症候群と歯科の関係

麻酔が不安な方も、安心して町田歯科にご相談を

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断は医科で行われるならば、なぜ町田歯科ブログで睡眠時無呼吸症候群を取り上げたのかと、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

実は、睡眠時無呼吸症候群の検査・診断については他の医科で行いますが、治療については歯科の担当となるケースがあるからです。

ただし、そのケースでも、医科で検査を受けた際、歯科で治療が必要と診断された場合に限られます。ですので、指示によって歯科医院を受診する際は、医科からの紹介状を持参するようにしてください。

マウスピース(口腔内装置)による睡眠時無呼吸症候群の治療

マウスピース(口腔内装置)による睡眠時無呼吸症候群の治療

歯科での睡眠時無呼吸症候群の治療は、口腔内装置(オーラルアプライアンス)を使用して行います。

口腔内装置(オーラルアプライアンス)とはマウスピースのことで、歯科医師だけに製作が認められており、別名スリープスプリントとも呼ばれます。

先ほどお話ししたとおり、歯科では睡眠時無呼吸症候群の検査や診断ができませんので、このマウスピース(口腔内装置)の作製には、医科からの紹介状や依頼書が必要です。

なお、マウスピースで治療できる睡眠時無呼吸症候群は中等度までで、下顎の骨格が小さい、舌が比較的大きいなどの症例が該当します。重度の睡眠時無呼吸症候群はマウスピース療法の対象外となります。

マウスピース(スリープスプリント)を装着して呼吸を改善

マウスピース(スリープスプリント)を装着して呼吸を改善

ではマウスピース(スリープスプリント)がどのように作用するかについて、お話ししましょう。

スリープスプリントは、装着すると下顎が前に出るように設計されています。具体的には、下顎を最も前に出した状態から少し引っ込めた位置です。

ほんの少し下顎を前方へ出すだけで、舌の落ち込みが解消されて気道が広がり、呼吸が楽になるため、この効果で睡眠時無呼吸症候群の改善を行っていくのです。

反面、下顎を前に引っ張り出すことで、顎の関節に負担がかかることがあるので、顎関節症を起こしたり、噛み合わせが変化するリスクがあることには注意しておきましょう。

マウスピース(スリープスプリント)の種類

マウスピース(スリープスプリント)の種類

睡眠時無呼吸症候群用のマウスピース(スリープスプリント)は、健康保険の適用となるものと、保険適用外(自由診療)のものがあります。

保険適用となる装置は、上顎と下顎につけるマウスピースが一体化した構造をしています。治療費の負担が小さいことが利点ですが、下顎がガッチリと固定されてしまうため、使用中の違和感が大きいのが難点と言えるでしょう。

自由診療の装置は、マウスピースが上顎と下顎に分かれています。上下に分かれたマウスピースを装着するので、保険適用のものと比べて違和感が少ないのがメリットです。一方、健康保険の対象外のため、保険適用のものと比べると、どうしてもコストはかかります。

CPAPとの比較

CPAPとの比較

睡眠時無呼吸症候群の治療法のひとつにCPAP(シーパップ)療法があります。CPAP療法とは、寝ている間に専用のマスクを装着して鼻から空気を送り込むことで、睡眠時の無呼吸を防ぐ治療です。

CPAPは睡眠時無呼吸症候群の改善に有効な治療法ですが「装置の音が気になって眠れない」「お口が乾燥する」「装置が大きく持ち運びが難しい」などのデメリットもあります。個人差はありますが、慣れるまでは我慢が必要になるかもしれません。

一方、スリープスプリントは作動音もお口の乾燥もありません。CPAPとは異なり、大がかりでなく、携帯もできるので、睡眠時無呼吸症候群に悩む多くの患者さんに選ばれています。ただし、CPAPほど適応症が広くないため、先述のとおり、対象は軽度〜中程度の方に限られることになります。

顎顔面外科手術による治療

顎変形症(がくへんけいしょう)について

歯科領域における睡眠時無呼吸症候群の治療は、その大半がマウスピースを用いますが、症例によっては顎顔面外科手術を行うこともあります。顎顔面外科手術とは、外科手術によって骨格のズレを改善する治療のことをいいます。

対象となるのは、顎の骨格の異常によって睡眠時無呼吸症候群を引き起こしているケースです。

具体的には、顎変形症(がくへんけいしょう)についてのコラムでも触れた、小下顎症(しょうかがくしょう:下顎骨の成長発育が弱く、正常な大きさにならない状態になる)や、骨格性の下顎後退症(かがくこうたいしょう:上顎に対して下顎が後方にある状態になる)などが該当します。

これらの場合は、手術によって下顎骨を前方へ移動させることで、気道を広げるアプローチを採っていきます。

術前の矯正治療と手術

術前の矯正治療と手術

顎顔面外科手術は、手術だけでなく、術前の矯正治療も必要になります。なぜなら、上下の顎の位置関係が大きく変わるほどの手術となることで、噛み合わせも変化するからです。

まず、手術後の噛み合わせを想定して矯正治療を行い、歯並びや噛み合わせが整ったことを確認した後に手術へ進みます。

顎顔面外科手術はいくつかの術式があり、同じく顎変形症(がくへんけいしょう)についてのコラムで解説していますが、上顎骨に対してはル・フォーⅠ型骨切り術下顎に対しては下顎枝矢状分割術(かがくししじょうぶんかつじゅつ:SSRO)が選ばれることが多いと言えるでしょう。

いずれの手術も全身麻酔下で行われ、おおむね2週間の入院が必要です。

睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方も町田歯科にご相談を

睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方も町田歯科にご相談を

今回は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と歯科との関係について解説しました。

睡眠時無呼吸症候群によって眠りが妨げられると、日中の眠気や疲れ、集中力の低下などを招くだけでなく、ともすれば全身疾患にも関わるため、思い当たる症状がある方は、迷わず医療機関へご相談いただくのが良いでしょう。

お伝えしたように、歯科ではマウスピース(スリープスプリント)を使用した治療を中心に行います。

町田歯科では、丁寧なカウンセリングに基づき、患者さんにぴったりのマウスピースも作製いたしますので、睡眠時無呼吸症候群の症状にお悩みの方は、町田駅すぐそばの町田歯科にお気軽にご相談ください。

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