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根管治療

通常の根管治療とは異なる逆根管充填とは?

町田歯科の根管治療のページでもお伝えしていますが、根管治療というと、歯冠(しかん)と呼ばれる歯の頭の部分を削って、歯の神経が収まる根管(こんかん)を清掃・消毒する治療が一般的です。

歯の構造と一般的な根管治療の流れ

歯根側からの根管治療

しかし症状によっては、歯冠側からではなく、歯根(しこん)側から歯の根の治療を行うこともあります。これを逆根管充填(ぎゃくこんかんじゅうてん)といい、通常の根管治療では効果が得られない場合や、抜歯が考えられる場合の選択肢の一つです。

逆根管充填のアプローチ

ただ、上の図でも明らかなように「歯根は歯肉と骨の中にあるのに、どうやって根管治療をするのだろう?」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、そんな逆根管充填についてお話しします。

逆根管充填とは?

逆根管充填とは、歯根の先端から根管の中に薬剤(充填剤)を詰める処置を指します。

一般的な根管治療の流れ

もう一度冒頭の図を引用しましょう。最後の工程にある、歯の根の中に薬剤を詰める処置を根管充填といいます。本来は歯冠側から詰めるのですが、逆の歯根側から薬剤を充填するため、逆根管充填と呼ばれるのです。

逆根管充填の方法

逆根管充填のイメージは掴んでいただけたでしょうか?ではもう少し説明を進めましょう。

逆根管充填の方法

歯根の先は骨の中に埋まっているので、そのままでは逆根管充填はできません。そこで、逆根管充填をするには、まず局所麻酔をしてから歯肉を切開します。

切開すると骨が見えてきますので、歯の根の先端付近の骨を削って露出させます。そして歯の根の先を少し削り、くぼみを与えます。これを逆根管形成(ぎゃくこんかんけいせい)といいます。

逆根管形成を行って作られたくぼみに専用の薬剤を詰めます。その後、歯肉を元に戻し、縫合して終わります。

抜歯して行う場合も

なお、抜歯したうえで逆根管充填を行う場合もあります。この場合は、一度歯を口の外に取り出して処置行うため、歯肉を切開することや骨を削ることはありません。ただし、抜歯した歯に処置を行い、もう一度口の中に戻さなくてはなりませんから、迅速な処置が求められます。

どんな時に逆根管充填を行うの?

どんな時に逆根管充填を行うの?

では実際に、どのような場合に逆根管充填が行われるのでしょうか。以下で挙げていきましょう。

通常の根管治療では効果が得られない時

根管治療では歯根の中をきれいに清掃し、消毒することで、歯の根の先での細菌の増殖を断ち、病巣を解消します。

しかし、何度も洗浄・消毒しても、根の先の病巣がなくならなかったり、歯肉の腫れが落ち着かなかったりすることがあります。

このような場合、通常の根管治療だけでは改善するのが困難と考えられます。抜歯するのも一つの方法ですが、できることなら歯を残したいですよね。そのような時、逆根管充填が検討されます。

根管からの膿みが止まらない時

根管治療を繰り返し行っても、また抗菌薬を使っても、根管からずっと膿みが出続けることがあります。

当然そのままでは歯の根の治療を終えることができません。このような場合、歯根の先の病巣を外科的に取り除き、同時に逆根管充填を行うことで、膿が出なくなるようにします。

レントゲン写真上で病変が大きくなっている時

図でご説明したとおり、根管治療は、最後に根管充填という薬剤を詰める処置で終わります。そして、きれいに根管充填ができているかどうかはレントゲンで確認します。

根管充填の状態に問題がないのにもかかわらず、歯の根の先の病巣が大きくなっていると、レントゲン写真には写らない細い神経がある可能性が考えられます。このような時にも、逆根管充填が検討されます。

逆根管充填と同時に行われる処置

逆根管充填と同時に行われる処置

どんな時に逆根管充填を検討するかをご説明しましたが、各症状に伴い、逆根管充填は他の処置とセットで行われます。

歯根端切除術

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)とは、字のとおり、歯根の先端部分を切除する処置です。この場合、歯根嚢胞摘出術(しこんのうほうてきしゅつじゅつ)も行われます。

ちょっと難しい用語が並んでしまいますが、歯根嚢胞摘出術は、歯根の先端にある膿みの袋を取り除く処置です。

先ほどお話ししたように、歯根の先に膿みが溜まっているケースがあります。この膿みの袋を取り除き、再び嚢胞(膿みの袋)ができないように逆根管充填を行い、再感染を防ぐようにします。

歯根嚢胞摘出を行った箇所は出血するので、しっかりと止血できるかどうかが、逆根管充填の成否に関わってきます。

意図的再植術

意図的再植術(いとてきさいしょくじゅつ)とは、いったん歯を抜き、直視できる状態で、歯と抜いた穴の内部をきれいに洗浄してから、再び歯を戻す処置です。冒頭で少し触れた、抜歯してから行う逆根管充填がこれに当たります。

意図的再植術も、通常の根管治療では治りにくい場合や、歯根端切除術が難しい場合に選ばれる治療法です。

病巣部分を物理的に取り除けるのが利点ですが、抜歯の時に歯根が折れたり、ヒビが入ったりすると、元に戻せなくなるのが難点です。

意図的再植術では、抜歯した歯を実際に直視しながら逆根管形成をし、逆根管充填を行います。歯根端切除術での逆根管充填と違い、止血はしやすいため、逆根管充填そのものは比較的容易です。

逆根管充填をしても効果が得られない場合は?

逆根管充填を行っても、歯の根の先の病変が良くならないなど、治療の効果が得られない場合もあります。そのような時は、残念ながら抜歯します。

抜歯すれば、原因の歯がなくなるので、歯根の先の病変はなくなります。ただ、当然のことながら、大切な歯を失うことにもなります。

言い方を変えると、逆根管充填は、抜歯を検討しないといけない歯に対する処置とも言え、歯にとっては最後の防衛線とも言える対処法なのです。

逆根管充填で抜歯を免れるケースも

逆根管充填で抜歯を免れるケースも

今回は、逆根管充填についてお話ししました。専門用語も多かったと思いますが、歯の根の先の病巣がなかなか治らない時、抜歯が選ばれることが多い中、逆根管充填によって治癒が期待できることもあるとご理解いただけましたでしょうか。

もちろん、必ず逆根管充填で治るというわけではありませんし、歯の状態によってはできないこともありますが、抜歯するかどうかで悩んでいらっしゃるなら、検討しても良い処置の一つと言えます。

町田歯科は、根管治療に関する専門的な知識に加え、治療経験の豊富な歯科医師が在籍しております。当院で対応できない場合も、専門機関へのご紹介も可能ですので、通常の根管治療ではなかなか治らないとお悩みの方は、お気軽にご相談いただければと思います。

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