虫歯治療

お子さんの歯の治療にもラバーダム防湿を

前回、歯の神経の治療に必須、ラバーダムとは?のコラムで、ラバーダム防湿とはどのようなものか、そしてその重要性についてお伝えしました。

ラバーダム防湿は、精密で安全な歯科治療には欠かせないものです。そして、ラバーダム防湿が大切なのは大人の歯科治療だけではありません。実は小児歯科、つまりお子さんの治療にもラバーダム防湿はとても有効なのです。

「でも子どもにラバーダム防湿って嫌がらないの?」「苦しくないの?」と心配される親御さんもいらっしゃると思います。そこで今回は、子どものラバーダム防湿はどのように行うのか、また、その大切さについてお伝えします。

子どもの歯の治療にラバーダム防湿が大切な理由

子どもの歯の治療にラバーダム防湿が大切な理由

唾液の量が多い

歯の神経の治療に必須、ラバーダムとは?のコラムでご説明したように、ラバーダム防湿は、治療する歯だけをお口の中に露出させ、唾液から汚染させないようにします。

子どもは大人に比べて唾液の量が多く、治療中に唾液を排除することが困難です。歯をしっかり乾燥することができないと、治療する歯に唾液が流れてしまった場合、虫歯治療をした後に詰めものや被せものをしても、すぐに外れてしまいやすくなります。

お子さんの場合、何度も治療を繰り返すことは大変なので、再治療のない正確な治療が求められます。

急に動いたりすることが多い

歯科治療では、お口の中で歯を削る機械なども使います。このため、急に動いたりすると、お口の中の舌や粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

特に子どもは治療中、急に動いたりするリスクが高く、安全な治療のための環境作りが大切です。

ラバーダム防湿は、舌や周りの粘膜をしっかり排除してくれるため、お子さんにとって安全な治療が可能となります。

短時間で正確な治療ができる

小さなお子さんが、治療中にずっと集中力を保つのは難しいものです。そのため、短時間で正確な治療が必要になります。

しかし、唾液が多いとそのコントロールに苦労したり、お子さんが動いてしまったりすると、治療に時間がかかってしまう場合があります。

ラバーダムでしっかり治療環境を整えることで、歯科医もスムーズに治療が行えるようになり、短時間で治療できるようになります。

子どものラバーダム防湿の導入方法

子どものラバーダム防湿の導入方法

きちんと大切さを伝える

大人であっても、何をされるか分からないのは怖いものですよね。小さなお子さんであればなおさら、慣れない場所でいきなりやったことのない治療が始まると怖いはずです。

まずは「なぜラバーダム防湿をするのか」をきちんと説明することが大切です。「歯の治療をする=ラバーダム防湿をする」というように、お子さんが覚えてくれるといいですね。

絵や模型で見せてあげる

お口の中は自分で見ることができません。ですので、お口の中でどのようなことをするかを、事前に絵や模型で見せてあげることは効果的です。

まずはラバーダム防湿だけ練習

お子さんによっては、ラバーダム防湿と治療の両方を、いきなり行うことは難しい場合もあります。そんな時は、まずラバーダム防湿だけを怖がらずにできるように練習をします。

お子さんの治療はスモールステップで行いましょう。無理に早く進めるのは決して良くありません。小児歯科のページでもお伝えしていますが、町田歯科ではお子さんの歯科治療は「無理はせず、できるところから」がモットーです。

通院回数が多くなると、親御さんの手間は増えてしまうこともありますが、焦らず進めることが歯科嫌いにならないためにも大切です。

子どものラバーダムの防湿の注意点

子どものラバーダムの防湿の注意点

ラテックスアレルギーに注意

近年、アレルギーのあるお子さんが増えています。歯科で使う手袋やラバーダムのゴムには、ラテックスが含まれます。

バナナやキウイフルーツ、パイナップルなどの果物にアレルギーのあるお子さんは、ラテックスアレルギーのリスクが高くなります。ラテックスアレルギーに対応したラバーダムもあるので、心配な方はお気軽にご相談ください。

治療中の様子をしっかり観察

ラバーダム防湿をするとお顔の半分が隠れるため、お子さんの様子がわかりにくくなります。

お子さんが治療中に嘔吐してしまったり、体調が悪くなった時にすぐ気がつけるよう、介助のスタッフはお子さんの様子を注意深く観察するのが大切です。

ラバーダム防湿は、結果的にスムーズな治療につながる

ラバーダム防湿は、結果的にスムーズな治療につながる

「ラバーダム防湿を子どもがするのは大変」「苦しそう」とお感じになる親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、安全に治療できる環境を整えることは、スムーズな治療にもつながり、結果的に治療時間が短く済み、再治療の回数も少なく済みます。

治療が必要になってから歯医者に通うと、どうしても歯科医院にマイナスなイメージを持ったり、お子さんが歯医者嫌いになってしまうこともあります。

治療が必要になってから行くのではなく、定期的に歯科検診を受けていただき、歯科医院に行くのは「良い健康習慣の一環」と思ってもらえるようになると良いですね。

歯科医院はお口をきれいにしてくれる場所

子どもが歯科嫌いにならずに、歯科治療を受けられるようになるためには、クリニックだけでなくお家での係わり方も大切です。

親が歯科にマイナスイメージを持っていると、お子さんにも伝わってしまいます。歯科医院は治療する場所ではなく、お口をきれいにしてくれる場所と考えていただいて、ぜひお気軽に親子で定期健診にいらしてください。

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