歯周病の予防には、毎食後の歯磨きや歯科医院での定期的な歯のクリーニングが効果的ですが、歯茎そのものの健康維持も大切です。いつものセルフケアに歯茎のマッサージを加えることで、歯周病の予防効果を高めることができます。
今回は、そんな歯周病予防や歯茎の引き締めに効果的な、歯茎のマッサージについてご紹介します。
歯茎のマッサージとは

実は歯茎にも「ツボ」があり、歯茎のマッサージとは、歯茎、頬、唇などを指や歯ブラシなどを使って刺激するマッサージ法です。ガムマッサージとも言われています。
歯茎に加えて、歯の周囲の歯周組織に対して行うもので、適度な刺激が加わることで様々な健康効果も期待できます。
歯茎のマッサージの仕方
歯茎のマッサージの方法はいくつかありますが、その一つをご紹介します。
なお、奥歯をマッサージするとえずきやすい方は、奥歯の手前でストップしても構いません。心地良いと感じる範囲で行いましょう。
日本訪問歯科協会のYoutubeがありますので、文章では分かりづらい方は、動画も併せてご覧になってみてください。
①歯磨き
石鹸で手をきれいに洗ってから、普段通りに歯を磨きます。
②下顎のマッサージ
人差し指の腹を使い、下顎の奥歯から前歯に向かって、円を描くように歯茎をマッサージします。内側は親指と人差し指でつまむように動かします。
爪を立てて歯茎を傷つけないように、ゆっくりと丁寧にマッサージを行いましょう。
③上顎のマッサージ
下顎と同様に、上顎もマッサージを行います。
④頬のマッサージ
頬を外側に向けて引っ張るようにして、円を描きながらマッサージします。
歯茎のマッサージがおすすめな方

歯茎のマッサージは、特に次のような方におすすめです。
- タバコを吸う方
- 歯茎が腫れやすい方
- 歯磨きをすると血が出やすい方
- 口臭が気になる方
- 入れ歯をお使いの方
- 虫歯や歯周病予防に熱心に取り組みたい方
歯茎のマッサージのメリット
歯茎のマッサージには次のようなメリットがあります。
歯茎の血行促進

歯茎をマッサージすると、口内の血行が改善されます。歯茎の血行が促進されると、歯茎の細胞へ送り届けられる栄養や酸素の量が増えるとともに、細胞からの老廃物もスムーズに排出できます。これは、歯周病菌に対する抵抗力を高めることにもつながります。
口元の若返り

健康な歯茎はピンク色で弾力があり、若々しい印象を与えます。逆に、歯茎がくすんでいると老けた印象になってしまいます。健康的で美しい口元づくりにとっても歯茎のマッサージは有効です。
歯茎のマッサージを行うことで、歯茎の腫れや炎症を軽減しやすくなり、歯茎の色も改善されるでしょう。さらに、マッサージによって口腔内の緊張が緩和されると、むくみやほうれい線の予防効果も期待できます。
ただし、健康的で若々しい口元をつくるには継続的に行うことが大切です。
唾液の分泌を促進する

唾液は年齢を重ねると徐々に分泌量が減少します。同時にサラサラした唾液が出にくくなり、口の乾きを感じやすくなるなど、お口の違和感が増します。
歯茎のマッサージをすると、唾液を作り出す唾液腺が刺激されることで、唾液の分泌が促されます。
お口を潤すだけじゃない!唾液の持つすごい働きとは?のコラムで解説したとおり、唾液には、虫歯を防ぐ歯の再石灰化を促したり、食べ物の消化をスムーズにするなど、身体やお口の健康を保つための様々な働きがあるので、唾液がきちんと分泌されることはとても大切なのです。
唾液が増えることで得られる効果とは?
上でもふれたように、歯茎のマッサージによって唾液が増えると、お口の健康だけでなく身体にも大変効果があります。具体的に挙げていきましょう。
虫歯や歯周病の予防

唾液には細菌の活動を抑える抗菌作用が備わっています。また、細菌の栄養源となる歯垢や食べカスを洗い流す洗浄作用、虫歯菌が作り出した乳酸を中和する緩衝作用、歯の表面を修復する再石灰化作用など、虫歯や歯周病、口臭のトラブルから守ってくれます。
消化を促進する

唾液に含まれるアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素が、食べ物に含まれるデンプンを分解し、消化を助けます。
味覚が正常になる

味覚には、亜鉛と結合している唾液のタンパクが重要な役割を果たしていると言われています。唾液がたくさん出ると、食べ物の味もわかりやすくなります。
粘膜を保護する
唾液に含まれるムチンという成分が、食べ物を塊にして飲み込みやすくします。
また、唾液には潤滑剤のような作用があり、お口の粘膜を守ってくれます。お口の中を保湿し、保護する物質が傷ついた粘膜を治してくれます。
歯茎のマッサージのデメリット
歯茎のマッサージにおいて主なデメリットはありません。強いて言うならば、毎日のセルフケアに加えるため手間がかかることと、効果を得るには継続する必要があるという点です。
歯茎から出血していたり、痛みがある場合は、マッサージを避けて担当の歯科医師、または歯科衛生士に相談しましょう。
お口の健康のためのプラスアルファ

歯茎のマッサージは、毎日のセルフケアに取り入れることで、歯や身体の健康増進が期待できます。特別な道具は必要なく、思い立ったら今日からでも始められる手軽さが魅力ですね。
ただし、歯茎のマッサージだけでお口の健康を守れるわけではありません。同時に、歯磨きを中心としたセルフケアや、歯科医院での定期検診やPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)などのプロフェッショナルケアも、併せて行っていきましょう。
町田歯科・矯正歯科では、歯茎のマッサージについての詳しい方法やポイントもお伝えしています。虫歯や歯周病予防にご興味のある方は、町田歯科・矯正歯科までぜひお越しください。