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小児歯科

お子さんの歯並びに影響する癖とは?

町田歯科では、小児歯科矯正歯科でお子さんへの治療を行っています。また、お子さんの歯についてのコラムでも、様々な情報をお伝えしていますが、やはり親御さんからは多くのお問い合わせを頂戴します。

特に小さなお子さんがいらっしゃる親御さんからは、「子どもが将来きれいな歯並びになるには、何に気をつけたらいいか」という質問をいただきます。可愛いお子さんのことですから、小さいうちから歯並びが悪くならないようにケアされるのは、とても良い心掛けだと思います。

お子さんのお口の癖をチェック

お子さんの歯並びが悪くなってしまう要因はいくつかありますが、その一つにお口に関係する癖があります。お口に関係する癖を口腔習癖(こうくうしゅうへき)といいます。

口腔習癖には様々なタイプがあり、口腔習癖によって引き起こされる歯列不正(しれつふせい:悪い歯並びのこと)も多様です。今回は、歯並びに悪影響を与える癖と、生じうる歯列不正についてお話しします。

口腔習癖とは

口腔習癖とは、日常の何気ない生活の中で、ふと無意識に行なっている習慣や癖のうち、お口に関連したもののことです。

一般的に、成長発育期にあるお子さんでは、お口の形や機能の発達に悪影響を及ぼすことが多く、不良習癖、もしくは悪習癖と呼ぶこともあります。

以前、きれいな歯並びをつくるお子様のための矯正(小児矯正)のコラムでも、注意した方が良いお子さんのお口の癖について触れましたが、今回はより詳しく解説しましょう。

吸指癖(きゅうしへき)

吸指癖(きゅうしへき)

吸指癖は、指しゃぶりのことです。小さなお子さんでは一般的によく見られる癖ですね。吸う指は、親指を吸う例が最も多く、次が人差し指です。

年齢的には1~2歳頃がピークで、3歳頃から減り始め、5歳頃にはほぼなくなります。3歳頃までに止めれば、ほぼ問題はないですが、以降も指を吸い続けると、歯並びに悪影響が出ます。

咬唇癖(こうしんへき)

咬唇癖(こうしんへき)

咬唇癖は、唇を噛む癖です。下唇を噛む例が多いですが、上唇を噛む癖もあります。噛んだ方の唇が、前歯に不適切な力を加えることで、歯並びが悪化します。

舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)

舌突出癖は、無意識のうちに、舌を不必要に前歯を超えて前方へ伸ばす癖です。

異常嚥下癖(いじょうえんげへき)

嚥下(えんげ)とは、食物を口に入れて咀嚼(そしゃく)し、飲み込んで胃に運ぶまでの一連の動作を指します。異常嚥下癖は、食べ物や飲み物を飲み込む時に、舌が前に出て、上顎と下顎の前歯の間に舌が挟まりながら飲み込む癖をいいます。

正常な嚥下では、上顎と下顎の歯が接触し、舌は歯並びの内側に位置した状態になります。

咬爪癖(こうそうへき)

咬爪癖(こうそうへき)

咬爪癖とは、爪を噛む癖のことです。この癖は、3歳頃から始まることが多いです。

ストレスとの関係性が指摘されており、咬爪癖を認めるお子さんの多くに、動作に落ち着きがない傾向が見られます。

口呼吸

口呼吸はわかりやすいかもしれませんね。鼻での正常な呼吸ができない、もしくは鼻呼吸の割合が少なく、長時間にわたって口で呼吸する癖です。

口呼吸は、鼻に原因のある鼻性(びせい)口呼吸、歯に原因のある歯性(しせい)口呼吸、特に原因がなく習慣的にしてしまう習慣性口呼吸に分けられます。習慣性口呼吸は少なく、ほとんどが鼻性か歯性の口呼吸です。

歯ぎしり

5歳から10歳のお子さんでは、約4割が歯ぎしりをしている

歯ぎしりは、歯を強く噛みしめたり、上顎と下顎の歯を擦り合わせたりする癖です。歯ぎしりは、寝ている時にすることが多いですが、起きている間に無意識にしていることもあります。

歯ぎしりについてのコラムでも多く取り挙げておりますので、興味のある方は併せてご覧ください。また、寝ている時の歯ぎしりを防ぐためのマウスピース(ナイトガードもあります。

歯列不正の例

では続いて、歯列不正についてご説明しましょう。どうしても歯科の専門用語になってしまいますが、イメージを掴んでいただければ大丈夫です。

以下でお口の癖が原因となりうるものを主に紹介します。町田歯科の矯正歯科特設サイトでも、歯列不正の実例を写真で公開していますので、併せてご参照ください。

歯列不正の例, 町田歯科 矯正情報特設サイトより

前歯の傾斜

前歯の向きが正常よりも傾いた状態を指します。傾く方向によって、外側に傾く唇側傾斜(しんそくけいしゃ)、内側に傾く舌側傾斜(ぜっそくけいしゃ)に分けられます。

唇がある方に向くのは外側、舌がある方に向くのは内側ということですね。上顎前歯の唇側傾斜は出っ歯、下顎の唇側傾斜は受け口をイメージするとわかりやすいかもしれません。

開咬(かいこう)

開咬(かいこう),オープンバイト

開咬は上下の歯を噛み合わせた時に、きちんと噛み合わない歯列不正のことです。オープンバイトともいいます。

開咬というと、前歯が噛み合わない前歯部開咬(ぜんしぶかいこう)が一般的にイメージされますが、奥歯が噛み合わせられない臼歯部開咬(きゅうしぶかいこう)という開咬もあります。

交叉咬合(こうさこうごう)

交叉咬合(こうさこうごう),クロスバイト

歯並びは、上の歯が下の歯に覆い被さるような噛み合わせが正常です。交叉咬合とは、歯並びの一部分で下顎の歯の方が上顎の歯よりも外側に出ている歯列不正を指します。クロスバイトとも呼ばれます。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突(じょうがくぜんとつ),出っ歯
横からの図

上顎前突は、上顎の歯並びが下顎の歯並びよりも前に出過ぎている歯列不正です。いわゆる出っ歯のことです。

上顎前突の原因は、歯性(歯の位置や向きの異常)と骨格性(顎の骨格の形や位置、サイズの異常)に分けられます。このうちお口の癖が関係しやすいのは、歯性の上顎前突です。

正中離開(せいちゅうりかい)

歯並びの一番前にある真ん中の歯を中切歯(ちゅうせっし)といいます。正中離開は、左右の中切歯の間に隙間が生じている歯列不正です。

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列(くうげきしれつ),すきっ歯

空隙歯列は、複数の歯と歯の間に隙間がある歯列不正です。いわゆるすきっ歯のことを指します。隙間が複数あるというところがポイントで、一箇所だけ隙間があるだけならば、空隙歯列とは認められません。

叢生(そうせい)

叢生(そうせい),乱杭歯(らんくいば)

叢生は、歯の位置がずれたり、向きが傾いたりすることが原因となり、歯並びがきれいなアーチ状にならず、凸凹としている歯列不正です。乱杭歯(らんくいば)とも呼ばれます。

切端咬合(せったんこうごう)

切端咬合は、歯を噛み合わせた時、上顎と下顎の前歯がお互いの切端(前歯の先端部分)だけでしか触れ合わない歯列不正です。

お口の癖と歯列不正との関係は?

お口の癖と歯列不正との関係は?

それでは冒頭で挙げたお口の癖が、どのような歯列不正につながるかをご説明します。実際に動作を真似してみると、イメージしやすいかと思います。

吸指癖による歯列不正

指が前歯を押すことにより、上顎前歯の唇側傾斜下顎前歯の舌側傾斜上顎前突が起こります。

咬唇癖による歯列不正

上下どちらの唇を噛むのかによって、生じる歯列不正に違いが出ます。癖の強さや期間にもよりますが、上唇を噛む癖があると、下顎が前に出るので、受け口になっていくのが分かるかと思います。逆に下唇を噛む癖があると、上顎が前に出ますから、上顎前突(出っ歯)になります。

また、どちらにも共通して起こりやすいのは、前歯部の開咬です。

舌突出癖による歯列不正

舌を前に出すと、上顎と下顎の前歯が内側から押されるので、前歯の唇側傾斜が起こりやすくなります。そして、舌が上顎と下顎の前歯の間に挟まることで、開咬にもなります。

異常嚥下癖による歯列不正

異常嚥下癖でも、舌を過剰に前に出すので、開咬が生じやすくなります。歯並び全体が広くなることで、歯と歯の間に隙間が生じ、空隙歯列になる可能性もあります。

咬爪癖による歯列不正

爪を噛むと、上顎の前歯が左右に押され、正中離開や、叢生になりやすくなります。また、上顎と下顎の前歯の間に隙間ができることで、開咬になることもあります。

口呼吸による歯列不正

口呼吸では、舌が下がるだけでなく、前にも出てしまうので、前歯の唇側傾斜や、それに伴って開咬が生じる可能性があります。

歯ぎしりによる歯列不正

歯ぎしりをすると、歯並び全体が外側に広がりやすいので、空隙歯列となる可能性が指摘されています。

お口の癖と歯列不正の関係を理解して、正しい対処を

今回は、お口の癖と歯並びの関係性についてお話ししました。専門的な用語も多かったかと思いますが、お子さんにどんな癖があると、どのような歯列不正が生じるかについて、少しでも皆さんの理解が進めば嬉しく思います。

もちろん、今回お伝えしたような用語を全て理解する必要はありませんが、お子さんにこれらの癖が見られるようならば、早めの治療が大切です。町田歯科は、日本矯正歯科学会の認定医が在籍し、小児矯正の知識や経験の豊富な歯科医院ですので、お気軽にご相談ください。

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