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矯正歯科

インビザラインが浮いてしまったら?チェックポイントと対処法

町田歯科でも矯正治療の際、矯正歯科コラムでもお伝えしているインビザラインなどのマウスピース矯正を選ばれる方も増えてきました。

ただ、治療中に「新しいマウスピースをつけたら、なんだか浮いている気がする…」とお感じになった方はいらっしゃいませんか?治療中の違和感は、どうしても不安になりますよね。

実はマウスピースの「浮き」を放置してしまうと、矯正力が歯にうまく伝わらず、治療が計画通りに進まなくなってしまうことも考えられます。最悪の場合、治療期間が延びてしまうケースも出てきますので、注意しなくてはなりません。

今回は、インビザラインが浮く原因と、その対処法について解説します。特に治療を始めたばかりの方や、マウスピースの違和感に悩む方はぜひ参考にしてください。

インビザラインが「浮く」とはマウスピースが歯に密着しない状態

インビザラインが「浮く」とはマウスピースが歯に密着しない状態

インビザライン治療中に「マウスピースが浮いている」と感じるのは、歯に対してマウスピースがきちんと密着していない可能性があります。

インビザラインで歯を動かす仕組みのコラムで解説したとおり、インビザライン治療は、現在の歯並びから理想の形へ少しだけ近づけたマウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいものへ交換することで、段階的に歯を動かしていきます。そのため、マウスピースと歯の間にほんの少しの隙間が見られること自体は、治療の過程で起こり得ます。

しかし、前歯や奥歯の一部だけが大きく浮いていたり、指で押すと沈むような隙間ができていたりする場合は、矯正力が歯に正しくかからず、治療が計画通りに進んでいないことが疑われます。

違和感や痛みのサインに注意

違和感や痛みのサインに注意

マウスピースの「浮き」は、見た目の違和感だけでなく、痛みや圧迫感を伴うことがあります。

新しいマウスピースに交換した直後の、歯全体が締め付けられるような痛みは、歯が動いている証拠であり正常な反応です。

しかし、特定の歯だけに強い圧力がかかり続けたり、浮いている部分の歯茎にマウスピースの縁が食い込んで痛んだりする場合は注意が必要です。

このような違和感は、治療がうまく進んでいないサインかもしれないため、「そのうち慣れるだろう」と放置せず、原因を探ることが大切です。

インビザラインのマウスピースが浮く原因とは

ではここからは、実際にインビザラインが浮いてしまう状態になる理由についてお話ししていきましょう。

歯の動きと治療計画の乖離

インビザラインのマウスピースが浮く原因:歯の動きと治療計画の乖離

インビザラインは事前にコンピューター上で歯の動きをシミュレーションし、それに基づいてマウスピースを作成します。町田歯科ではiTero(アイテロ)というインビザライン・ジャパン社の高性能口腔内3Dスキャナを導入し、より正確なシミュレーションを行える環境を整えています。

しかし、歯を支える骨の硬さや歯の根の形には個人差があるため、実際の歯の動きがシミュレーションとわずかにずれることが起こり得ます。この小さなズレが積み重なると、マウスピースが歯に合わなくなり、「浮き」として現れてしまうのです。

この状態を放置すると、次のマウスピースがさらにフィットしなくなり、悪循環に陥ることもあります。

アタッチメントの不具合やマウスピースの変形・破損

インビザラインのマウスピースが浮く原因:アタッチメントの不具合やマウスピースの変形・破損

インビザライン治療では、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる小さな突起をつけることがあります。これは、マウスピースと歯を密着させる役割と、歯を回転させたり、傾きを調整したりといった歯を動かすための重要な役割があるパーツです。

しかし、アタッチメントが食事などによって外れたり、削れて形が変わったりすると、マウスピースがしっかりと固定されず、「浮き」の原因になってしまいます。

また、マウスピースは熱に弱い素材でできているため、お湯で洗浄したり高温になる場所に置いたりすると変形することもあります。また、落下による破損で変形した場合も、正しくフィットせず、浮いてしまう原因になります。

装着時間の不足や取り扱いのミス

インビザラインのマウスピースが浮く原因:装着時間の不足や取り扱いのミス

インビザラインの治療期間と注意すべきポイントのコラムでもお話ししましたが、インビザラインは1日20時間以上の装着が必要です。この時間を守れないと、歯が計画通りに動かないだけでなく、動いた歯が元の位置に戻ろうとする後戻りが起こり、マウスピースが合わなくなってきます。

後戻りについては、矯正治療の後戻りって何?のコラムで解説しておりますので、併せてご参照ください。

また、装着時に指だけで押し込み、奥歯などがしっかりはまっていないケースも見受けられます。そのような時は、(アライナー)チューイーを使い、全体を均等にフィットさせることが大切です。

そのほかにも、ケースに入れずに保管して変形させてしまうなど、日常的な取り扱いのミスも浮きの原因となることがあるので十分注意しましょう。

インビザライン治療で失敗しないためのチェックポイント

インビザライン治療を成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

毎日の装着時間を守る

インビザライン治療で失敗しないためのチェックポイント:毎日の装着時間を守る

繰り返しになりますが、インビザライン治療の成否は装着時間に大きく左右されます。インビザラインの治療期間と注意すべきポイントのコラムでお伝えしたとおり、1日20〜22時間以上の装着時間を守ることが、計画通りに歯を動かすための基本です。

特に食事や歯磨きの後に装着し忘れるなどの小さなミスが積み重なると、治療計画に大きなズレが生じてしまいます。スマートフォンの時間を記録するアプリなどを活用し、装着時間を管理する習慣をつけましょう。

チューイーを正しく使ってマウスピースを装着する

アライナーチューイー

新しいマウスピースに交換した際には、「浮き」が出やすいタイミングです。その際に役立つのが、前述の(アライナー)チューイーと呼ばれるシリコン製の棒です。これを数分間噛むことで、マウスピースを歯に密着させることができます。

毎日の装着時にチューイーを使う習慣をつけると、「浮き」を予防し、矯正力が歯へ適切に伝わるようになるでしょう。また、フィット感が悪いと感じた時は、まずチューイーでしっかりはめ込めているか確認してみてください。

熱い飲み物を飲む前に外す

インビザライン治療で失敗しないためのチェックポイント:熱い飲み物を飲む前に外す

マウスピースはプラスチック製で熱に弱いため、70℃を超える温度で変形してしまうことがあります。そのため、装着したまま熱いお茶やコーヒーを飲むと、マウスピースが歪んで浮く原因になります。

一度変形すると歯に正しくフィットしなくなり、治療が計画通りに進まなくなるので、熱い飲み物を飲む際は外すようにしましょう。

定期的に歯科医師と治療の進行を確認する

インビザライン治療で失敗しないためのチェックポイント:定期的に歯科医師と治療の進行を確認する

治療が順調に進んでいるかを把握するには、歯科医師によるチェックが欠かせません。特に「浮き」が継続する場合や、噛み合わせに違和感がある場合は、自己判断せず、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。

状況に応じてマウスピースの再作製や、アタッチメントの追加・修正といった対応をしてくれるでしょう。

マウスピースが浮いた時の対処法

マウスピースの「浮き」は、原因を理解して適切に対処することが大切です。

マウスピースをしっかりと密着させる

マウスピースが浮いた時の対処法:マウスピースをしっかりと密着させる

マウスピースをしっかりと密着させるには、前述のアタッチメント(アライナー)チューイーを活用するのが良いでしょう。

(アライナー)チューイーの使い方ですが、マウスピースを装着した状態で、(アライナー)チューイーをガムのように噛んで密着させます。そして、チューイーを奥歯から前歯へ、まんべんなく数分間噛み続けるようにしてください。

特に浮いている部分が気になる場合は、1日に合計15〜20分程度を目安に噛むと効果的です。

マウスピースの装着時間を見直す

マウスピースが浮いた時の対処法:マウスピースの装着時間を見直す

もし装着時間が20時間を下回る日があったなら、意識的に装着時間を延ばしてみてください。目安は22時間です。

食事と歯磨き以外の時間は、常に装着する習慣をつけましょう。

一つ前のマウスピースを装着する

マウスピースが浮いた時の対処法:一つ前のマウスピースを装着する

現在のマウスピースが全く合わない場合、一つ前のマウスピースを数日間装着することで、歯の動きが追いつき、現在のマウスピースがフィットするようになることがあります。

ただし、自己判断で戻すと、かえって治療計画に影響が出ることがあります。必ず事前に担当の歯科医師に相談し、指示を仰いでください。

できるだけ早めに歯科医院に相談する

マウスピースが浮いた時の対処法:できるだけ早めに歯科医院に相談する

マウスピースが浮いていることに気づいても、「そのうち慣れるだろう」「見た目だけの問題だろう」と、つい自己判断で放置してしまう方もいらっしゃいます。

しかし、浮いた状態では歯に正しい力がかからず、治療が止まってしまいます。特に、以下のような場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。

  • 「浮き」が続く、または悪化している
  • チューイーを使っても「浮き」が全く改善しない
  • 浮いている隙間が明らかに大きい(歯の先端が見えるなど)
  • マウスピースがすぐに外れてしまう、または痛みがある
  • マウスピースが変形・破損している
  • アタッチメントが取れてしまった

放置する期間が長いほど、マウスピースが合わなくなり、再作製が必要になることもあります。「浮き」を感じたら、次の予約を待たずにできるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

不安な時は自己判断せず歯科医師に相談を

不安な時は自己判断せず歯科医師に相談を

今回は、インビザラインのマウスピースが浮いてしまう原因や対処法について解説しました。マウスピースが浮く原因に心当たりがあった方は、以下のポイントを見直してみてください。

  • 1日20時間以上の装着時間を守る
  • (アライナーチューイー)を正しく使って密着させる
  • 定期的に歯科医師のチェックを受ける

マウスピースの「浮き」は、矯正治療中によくあるお悩みの一つです。「そのうち治るだろう」と自己判断で放置せず、チューイーを使っても改善しない場合や、マウスピースの破損、アタッチメントが外れた際などは、すぐに歯科医師へ相談しましょう。

町田歯科・矯正歯科は、日本矯正歯科学会の認定医が在籍し、インビザラインによる矯正治療の知見が豊富な歯科医師が、一人ひとりのお口の状態に合わせた治療計画をご提案します。

ご自身の歯並びに関するお悩みや治療へのご不安など、矯正治療をお考えの際は、町田駅すぐそばの町田歯科・矯正歯科へご相談ください。

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