「毎日しっかり歯を磨いているのに、なぜか虫歯になりやすい」
「定期的に歯医者さんに通っているのに、歯茎の調子が良くない」
「自分の口臭が気になるけど、原因がわからない」
こんなお悩みはありませんか?
その原因は、もしかすると唾液の質にあるのかもしれません。人それぞれ体質が違うように、お口の中の環境も一人ひとり異なります。その目には見えないリスクを科学的に解明するのが唾液検査(サリバテスト)です。
唾液検査(サリバテスト)は、唾液を採取するだけの簡単な検査で、「なぜ虫歯になりやすいのか」「将来の歯周病リスクはどれくらいか」「口臭の原因は何か」といったことを、客観的な数値で知ることができます。
今回は、そんな唾液検査(サリバテスト)の方法やメリットについて、詳しく解説します。
唾液検査(サリバテスト)は5分でわかるお口の健康診断
唾液検査(サリバテスト)とは、その名のとおり、唾液を採取して、その中に含まれる成分を分析する検査のことです。
唾液の中には、虫歯菌の数、お口の中の酸性度、歯茎の炎症具合など、お口の健康に関わる情報が詰まっています。
これらの情報を科学的に分析することで、あなたが将来どんなお口のトラブルに見舞われやすいのか、そのリスクを客観的なデータで知ることができます。
唾液検査(サリバテスト)の方法
「検査」と聞くと大変そうなイメージがあるかもしれませんが、唾液検査(サリバテスト)はとても簡単で、痛みもまったくありません。
唾液検査(サリバテスト)の簡単な流れ
1. 専用の液でうがい
専用の洗口液をお口に含んでいただき、10秒ほどかけてお口全体に行き渡らせます。
2. 試験紙につける
うがいした液をコップに吐き出し、専用の試験紙に染み込ませます。
3. 機械で分析
この試験紙を測定機器にセットして分析します。
分析にかかる時間はわずか5分ほど。その日のうちに、ご自身のお口のリスクについて結果レポートを受け取ることができます。
唾液検査(サリバテスト)でわかること
次項以降で詳しく解説しますが、この唾液検査(サリバテスト)により、主に虫歯、歯周病、口臭という3つの大きなリスクについて調べることができます。
唾液検査(サリバテスト)でわかる虫歯リスク
歯のトラブルの中で多いのが、皆さんも良くご存じの虫歯です。虫歯の原因は、歯磨き不足や甘いものの食べ過ぎだけではありません。唾液の性質も虫歯に大きく関わっています。
唾液検査(サリバテスト)では以下のような数値を測り、虫歯のなりやすさを判定します。
唾液の中の虫歯菌の数
お口の中には数え切れないほどの細菌が存在しており、その中にミュータンス菌などの虫歯の原因菌もいます。
唾液検査(サリバテスト)では、唾液の中にどれくらい虫歯菌がいるのかを測定し、その数が多いのか少ないのかを評価します。
唾液のpH(酸性度)
理科の授業でリトマス試験紙を使ったのを覚えていますか?実は、お口の中も酸性になったり中性になったりするのです。
虫歯菌は、歯に付着する食べカスを分解して酸を作り出し、この酸が歯を溶かすことで虫歯が始まります。
お口の中が酸性に傾いている時間が長い人ほど、歯が溶けやすく、虫歯になりやすいため、唾液検査(サリバテスト)では、あなたのお口が今どれくらい酸性寄りなのかをチェックします。
唾液の緩衝能(かんしょうのう)
治療する前の予防が大切!予防歯科で行うことのコラムで解説しましたが、唾液の緩衝能とは、酸性に傾いた口内のpHを中性に戻そうとする働きのことです。
唾液の持つこの緩衝作用が正常であれば、虫歯菌が作り出した乳酸を中和してくれます。しかし、唾液の働きが弱かったり、唾液そのものが少なかったりすると、緩衝作用も弱くなります。
そこで唾液検査(サリバテスト)では、唾液の持っている緩衝能が強いか弱いかも評価します。
唾液の役割について、より詳しく知りたい方は、お口を潤すだけじゃない!唾液の持つすごい働きとは?のコラムも併せてご参照ください。
唾液検査(サリバテスト)でわかる歯周病のリスク
虫歯とともに歯のトラブルで多いのが歯周病です。唾液検査(サリバテスト)では、以下の数値を測定し、歯周病のなりやすさについても評価できます。
白血球の数
歯周病は歯周病菌が原因で起こる病気です。歯周病菌が増えると、私たちの体は、菌と戦うために免疫細胞の一つである白血球を送り込みます。
そのため、歯周病菌が増えると白血球も増えることになります。
唾液検査(サリバテスト)によって唾液の中の白血球の数を調べることで、歯茎で炎症が起きていないか、歯周病が進行していないかを間接的に知ることができます。
タンパク質の量
お口の中の細菌や、歯の表面についたプラーク(歯垢)が増えると、唾液に含まれるタンパク質の量も増加します。
唾液の中にでどれくらいタンパク質が含まれているのかを調べると、お口の中の細菌が多いのか少ないのかがわかります。
上述の白血球の数とも照合することで、歯周病になりやすいかどうかの評価ができます。
唾液検査(サリバテスト)でわかる口臭のリスク
口臭も多くの人が気にする悩みの一つです。そして、詳しく知ろう!口臭の種類、原因と対策のコラムでお伝えしたように、病的口臭の原因の多くはお口の中の細菌です。
お口の中の細菌は、タンパク質などを分解する際にアンモニアをはじめとするニオイのガスを発生させます。そのため、唾液中のアンモニア濃度を測ることで、口臭が発生しやすいお口の環境かどうかを評価できます。
口臭が気になる方は、口臭外来を受診してみるのも良いでしょう。口臭外来については、口臭外来って何?のコラムで詳しく解説していますので、興味のある方は併せてご参考になさってください。
唾液検査(サリバテスト)を受けるメリット
ご自身のお口の健康リスクがわかる
唾液検査(サリバテスト)を受けると、「なぜか虫歯になりやすいのか」という漠然とした不安が、「虫歯菌が多くて、唾液の防御力が弱いから」というように、具体的な数値と根拠をもって口腔内にあるリスクとして認識できるようになります。
予防対策が取りやすくなる
唾液検査(サリバテスト)の結果を利用すれば、お口のリスクについて明確な数値を把握できるため、効果的な予防ができるようになります。
たとえば、「虫歯菌が多い人には、殺菌効果のある歯磨き粉や洗口液をおすすめする」「唾液の力が弱い人には、唾液の分泌を促すガムや食事の摂り方をアドバイスする」「歯周病リスクが高い人には、クリーニングや歯間ブラシの使い方を指導する」など、歯科医師や歯科衛生士が弱点を的確にカバーする予防プランを立ててくれます。
唾液検査(サリバテスト)でよくある質問
最後に、唾液検査(サリバテスト)についてよくある質問にお答えします。
Q1.費用はどれくらい?保険はきくの?
A.唾液検査(サリバテスト)は、残念ながら健康保険が適用されない自費診療となります。費用は歯科医院によって異なりますが、3,000円~10,000円程度が一般的です。
詳しい料金については、検査を受けたい歯科医院に直接お問い合わせください。
Q2.検査を受ければ、虫歯や歯周病にならない?
A.いいえ、唾液検査(サリバテスト)はあくまで「リスクを調べるためのもの」です。検査を受けただけでは、お口の健康は改善しません。
大切なのは、検査結果をもとに、日々のセルフケアを見直したり、歯科医院でケアを受けたりすることです。検査は予防のスタート地点だと考えてください。
Q3.どこの歯医者さんでも受けられる?
A.唾液検査(サリバテスト)には専用の分析機器が必要なため、導入している歯科医院でのみ受けることができます。
すべての歯科医院で実施しているわけではないので、事前にホームページで確認したり、電話で問い合わせたりすることをおすすめします。
提携医院である桜新町駅前歯科では唾液検査(サリバテスト)を行っています。興味のある方は、ご連絡のうえ、受診してみると良いでしょう。
Q4.検査の前に気をつけることは?
A.正確な検査結果を得るために、検査前の飲食や歯磨き、うがいなどに制限がある場合があります。一般的には、検査の1〜2時間前から飲食や歯磨きを控えていただくことが多くなります。
予約時に歯科医院から詳しい説明がありますので、その指示に従ってください。
お口の状態をしっかり知って確かな予防を
今回は唾液検査(サリバテスト)についてお話ししました。「なぜか虫歯になりやすい」といった漠然としたお悩みをお持ちの方は、しっかりと原因を究明することで、より的確な予防プランを立てることができるようになります。
町田歯科では、患者さん一人ひとりのお口の状態を正確に把握したうえで、虫歯や歯周病、口臭などを防ぐための治療に役立てています。ご自身のお口の状態をきちん知りたいと思う方や、効果的な予防歯科を受診したいとお考えの方は、町田駅すぐそばの町田歯科にぜひお越しください。