「最近の子供たちは、柔らかく歯ごたえのない食べ物をよく食べているから、歯並びが悪くなりやすい」。そう耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
皆さんも、なんとなく硬いものをよく噛んで食べていると、歯並びが良くなるというイメージをお持ちだと思います。たしかによく噛むことで顎の成長が促され、歯並びが良くなりやすいのは事実です。
では、シンプルに硬いものをたくさん食べて、噛む回数を増やせば歯並びが良くなるのか?と言われると、実はそれだけではないんですね。
歯並びが良くなる正しい食べ方とは?
皆さんのお口の中にはたくさんの歯が生えていて、形や大きさも様々です。歯にはそれぞれ役割があって、切歯(せっし)と呼ばれる前歯はその名の通り食べ物を噛み切る役割、臼歯(きゅうし)と呼ばれる奥歯には食べ物をすりつぶす役割があります。
正しい食べ方
- 前歯(切歯)で食べ物を小さく噛み切り
- 口を閉じ、舌を使い小さく切った食べ物を奥歯に運び
- 奥歯を使って食べ物をすりつぶして
- 舌で喉のほうに食べ物を運んで飲み込む
MFT(口腔筋機能療法)のブログでも触れた通り、歯並びにはお口周りの筋肉や、食べ方などの習慣が影響してきます。こうしてみると、食事って歯だけでなく舌や口周りの筋肉もかなり使われていますよね。
役割にあった歯の使い方をして、唇を閉じて舌を上手に使うことで、顎や口周りの筋肉が発達し、歯並びが良くなることにつながります。歯並びが悪くなるお子さんは、この1.から4.の流れのうち、いずれかが苦手なことが多いのです。
前歯で食べ物を小さく噛み切るのが苦手なケース
特に多く見られるのは「前歯(切歯)で食べ物を小さく噛み切る」が苦手なお子さんです。歯並びのガタガタ(叢生:そうせい)は奥歯よりも前歯によくみられますが、それは前歯で噛んでいない=前歯のあたりの顎の成長が促されていないことも原因の一つとして考えられます。
たとえば歯並びを良くしようと思って、おやつにスルメなどの歯ごたえのあるものを与えても、噛みやすいからと奥歯でばかりガジガジと噛んでいては、前歯の顎の成長は促されません。また、食べやすいようにと食べ物を小さく切ってあげていると、あまり前歯を使わず食事をする癖がつきやすくなります。
お肉や野菜を大きめに切ってあげると、自分の前歯で食べ物を小さく噛み切る動きを覚えやすいため、食事を作る時にあえてちょっと手抜きをする方が、歯並びを良くすることに繋がったりするんですね。
良い歯並びは正しい食べ方から
このように、歯並びを良くするためにはただ硬いものをよく噛むだけでなく、正しい食べ方ができているかという点が重要になってきます。
お子さんの歯並びが気になる方は、是非「前歯を使って噛んでいるか」「口を閉じて咀嚼できているか」などのポイントにも注目してみてください。
今回は、歯並びを良くするための「正しい食べ方」をご紹介させていただきました。ちょっとした食べ方の違いで歯並びに影響が出るなんて驚きですよね。
この他にも、日常で気を付けることで歯並びが良くなる習慣って実はたくさんあります。当院の小児歯科では、様々なご相談も受け付けておりますので、気になる方はお気軽に町田歯科・矯正歯科にご連絡ください。
町田歯科・矯正歯科 歯科衛生士 福室