さて今日はマウスピース矯正にも使用される口腔内スキャナiTeroについて少し紹介したいと思います。
iTeroとはアライン社(日本ではインザラインジャパン社)が販売している口腔内スキャナです。
従来の型取りとは違い、写真を一秒間に6000枚近く撮影し、その写真をつなぎ合わせて立体的な歯型を画面上に3Dデジタルデータ化するという最新のデジタル機器です。
口腔内をデジタルデータ化するメリット
インビザライン矯正にも極めて有効に使用されるのですが、通常の型取りと違い撮影したら一瞬でデータ化されるので、型取りの材料や模型に流す際の誤差が理論上ないのが大きな特徴です。
この機器があるとないとのでは治療の迅速性や精度に大きい差が出てきます。
一瞬でデータ化できるので素早く正確な診断が可能となります。
マウスピース用のスキャンとして使うこういった機器も、まだ全国の歯科医院の数%しか導入されていませんが、この機器はそれだけではありません。
実は口腔内をデジタルデータ化するのは、精密な治療、正確な治療、なるべく削らない治療にも役立ちます。
当院の患者様の実例
こちらは当院の実際の患者さんです。(ご厚意により掲載を許可していただきました)
口腔内スキャナはこのように連続した写真をつなぎ合わせ画面上に歯型を色付きで映し出すことができます。最近の技術の発展によりかなり精度の高い歯型を抽出できるのです。(ブログ用に画質はやや粗い状態です)
上顎の状態
下顎の状態
嚙み合わせの状態
これを画面上で計測等を行い、クリアランスという空間の厚みをデジタルデータとして計測しているのが以下の写真になります。
赤いところはまだ強くあたってるところ、青いところは空間が充分なところです。
計測の模様1
計測の模様2
このケースでは奥(左)から2番目の歯にセラミックの詰め物を入れるのですが赤い部分は厚みが十分取れず、薄くなりすぎてしまってるため割れるリスクが格段に上がります。
これは全ての詰め物や被せ物に言えることなのですが、薄いものは噛む力に対してもろく、厚みがあるものは噛む力に対して十分な強度持ちます。
それなら厚く作ればいいだけじゃないかと思われるかもしれませんが、薄い詰め物や被せ物は、薄ければ薄いほど自分の健全な歯を削らなくてもいいという最大の利点があります。
我々歯科医師はなるべく患者さんの歯を削りたくないという気持ちでさまざまな治療法を選択するのですが、一方で何でもかんでも薄くすることで十分な強度を保てず、すぐに壊れたりヒビが入ったり取れてしまう詰め物などを作ってしまうと、隙間から虫歯菌や汚れが入り込み、予後の悪い治療となってしまうのです。
従来はこういう厚みを計測する方法がアナログ(目で見て確認など)しかなかったので「ここをあと0.1mm削れば充分」などという指標が乏しいことが多くありました。どうしても削りすぎてしまう、あるいは薄すぎる詰め物ができてしまうリスクが高かったのです。
しかしこういったデジタル機器を活用することにより、より正確に厚みや歯の状態を計測しデータ化できるようになりました。
他にもさまざまな機器や方法があるのですが、こういったデジタル機器を活用することにより今まで以上に精度の高い、長く持たせることができる治療が可能となっています。
少しわかりづらい説明だったかもしれませんが、こういった説明は実際治療する際にもなるべく分かりやすく丁寧に説明してまいりますので、何か歯のことでお困りの際は、いつでも町田歯科・矯正歯科にご相談していただければと思います。
他にも説明したい機器はたくさんあるのですがまた改めて。
開業して約3週間経ちました。
なかなか思うように進まないことも多いのですが、スタッフや来院していただいてる患者さんも皆いい人ばかりで
この場所で開業して良かったなあと本当に思っています。
クリニック名がかなり一般的な名前なので、ウェブ検索になかなか引っかからないようで、特に通院されている患者さんがアポイントの変更をしたい時などにご迷惑をおかけしています。
もう少しで改善される予定なので少々お待ちいただければと思います。
町田歯科・矯正歯科 院長 成田健志