虫歯や歯周病だけでなく、事故などで歯を失った方にできる治療の一つにインプラントがあります。
入れ歯やブリッジと呼ばれる治療に比べて他の歯への負担が少なく、症例によっては一番おすすめできる治療になる場合もあります。
インプラントを選ぶ基準
患者さんだけでなく学生時代の友人や周囲の人からよく「インプラント治療をしたいけど何を基準にしたらいいか分からない」と言われることがあります。
確かにインプラントをはじめ、歯科医院を選ぶ基準をどうするかは患者さんにとっては簡単なことではありません。
歯医者の選択基準は同業者でもなかなか難しく、一緒に働いたことがある歯科医師であれば、ある程度の情報はありますが、大学同期ですら実際にどのような治療をしているかを把握するのは正直難しいです。
ただこれはかなり基本的なことだと思うことに以下の4つがあります。
1.経験、症例数を充分に積んだ歯科医師が主体となり手術をする(ここはあまり年齢が関係ありません)
インプラントの手術はやはり技術とその裏付けになる知識、そして経験が重要です。
多くのインプラント医は途方もない時間とお金をかけて様々な学会やセミナーに出席し、情報と技術のアップデートを繰り返しています。
その先生がどの程度の症例数をこなし、何年間のインプラントの経験があるかを聞いてみるのは一つだと思います。自信がある先生はきちんと答えてくれるはずです。
誰しもが初めは経験や症例数が乏しく、その際には充分な経験を積んでいるベテラン医がオペの指導をするのが重要なのですがそういった体制がとられていないクリニックは避けるべきだと思います。
2.メリットだけではなくデメリットを術前にきちんと説明する
全ての治療において言えることですが、予防を除いて治療に100点満点は存在しません。
メリットデメリットが必ずあり、それをきちんと説明してくれる歯科医師を僕は信頼できると考えています。
もちろんデメリットの大きい治療は選択するべきではありませんし、デメリットを可能な限り小さくするためにいろんな方法を提案するので、患者さんにはきちんと希望や考えを伝えていただき、何が一番自分にとって最善かを考えて決めることが重要だと思います。
3.オペだけではなく、その後のメインテナンス体制がしっかりできている
インプラントは実は手術直後よりも、時間が経過した後のトラブルが多い治療です。特に問題になるのがインプラント特有の歯周病と言われる「インプラント周囲炎」です。
この病態に関して細かい説明はここでは省きますが、歯周病予防と同様に日々のメインテナンスが予防する上で重要なことになります。
インプラントの定期管理に大事な役割を果たすのが歯科衛生士です。
快適で安心してインプラントを使用し続けるために歯科衛生士が果たす役割は非常に大きく、歯科衛生士が充分に配置されていない歯科医院でのインプラントは避けるべきだと思います。
4.歯科用CTや衛生面など設備が整っている
安全な手術を行うために必要なのは充分な検査診断です。
現在はCTという3次元にレントゲン画像を映し出す機器により骨の厚み、神経の走行位置などを事前に把握し、コンピューター上にインプラントを位置をシミュレーションすることが可能になりました。
そのことにより神経や血管を傷つけず安全に手術ができます。
CTによる検査診断
埋入シミュレーション
また、このシミュレーションを応用して、サージカルガイドという手術用の口腔内装置を製作することも医院によってはできます。
サージカルガイド
インプラント手術の際のドリルの位置を固定し、シミュレーション通りのオペができるという画期的なシステムであり、これにより安全で確かなインプラントオペが可能になりました。
当院ではStraumann®(ストローマン)ガイデッド サージェリーという世界シェア1位の信頼できるシステムを使用しています。
セカンドオピニオンもお気軽にご相談を
当院はセカンドオピニオンも重視しています。お気軽にご相談ください。
歯科治療は「やっぱりやり直しましょう」ができない治療ばかりで、その選択を患者さんは非常に悩まれますし、何を信頼して決めていいか分からない方も多いと思います。
当院はセカンドオピニオンも重視しており、拙速で安易な決断を患者さんにはして欲しくないため、充分な説明時間を常に確保しております。
他院での説明などで疑問に思う方などでも、一度ご相談していただければと思います。
お話の結果、納得されて元の医院に戻る方ももちろんいますが、納得していただければそういったケースも当然だと思っていますので、「せっかく相談しにきたのに申し訳ない…」などとおっしゃってくださる方もいますが、あまり気にしないで良いのにな~といつも思います(笑)
今日はインプラントの話でしたが、虫歯の治療や神経の治療など一般的な歯科治療に関しても、もちろん同じようにいつでも相談してください。
町田歯科・矯正歯科 院長 成田健志