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虫歯治療

歯は鉄より硬い?

「歯は体の中で一番硬い組織」と聞いたことがある方は多いでしょう。実は、歯の硬さは鉄以上とも言われています。

この硬い歯のおかげで、私たちは毎日様々な食べ物を噛み砕き、消化しやすい状態にして飲み込むことができます。

硬い歯のおかげで、私たちは毎日様々な食べ物を噛み砕き、消化しやすい状態にして飲み込むことができます。

しかし、柔らかいと思っていたものの中に硬いものが混ざっていた時など、うっかり強く噛んでしまい「歯が欠ける!」とヒヤッとした経験がある方もいるかもしれません。

実際に歯科医院には、歯が割れてしまったという患者さんが多くいらっしゃいます。鉄よりも硬いと言われる歯が、なぜ割れてしまうのでしょうか?今回は、歯の硬さ、歯の健康を守るために私たちができることについてご紹介していきます。

「硬さ」の物差し、モース硬度とは?

「硬さ」の物差し、モース硬度とは?

宝石の王様とも呼ばれるダイヤモンド。その輝きとともに、非常に硬いことでも知られていますね。では、その硬さはどのように測られているのでしょうか?

様々な物質の「硬さ」を知るための一つの目安として、モース硬度という指標があります。これは、ドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースが考案したものです。

モース硬度とは「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ(引っかき硬度)」で硬さを評価する指標で、主に鉱物で用いられています。 以下で身近な物のモースコードを見てみましょう。

身近な物のモース硬度

モース硬度:1チョーク
モース硬度:2岩塩、純金
モース硬度:3珊瑚
モース硬度:4岩塩、純金
モース硬度:5ガラス
モース硬度:6オパール
モース硬度:7人間の歯(エナメル質)、水晶
モース硬度:8エメラルド
モース硬度:9ルビー、サファイア
モース硬度:10ダイアモンド

モース硬度の数値は、1が柔らかく、数値が大きくなるほど硬い(引っかき傷がつきにくい)ことを示します。

歯はどれくらい硬いのか

身近な物のモース硬度

上の表を見ると、私たちの歯は驚くほど硬いとお分かりいただけると思います。日々の食事で様々なものを噛み砕く歯ですが、客観的な指標で見てみると、その硬さをより理解できるのではないでしょうか。

歯のエナメル質のモース硬度は鉄よりも高い

歯のエナメル質のモース硬度は鉄よりも高い

歯の表面はエナメル質と呼ばれる硬い組織で覆われています。そして、この歯のエナメル質のモース硬度は7であり、モース硬度4の鉄よりも硬いのです。

つまり、歯で鉄をひっかくと鉄に傷ができるのです。他に身体の組織では、骨がモース硬度4~5、爪がモース硬度約2.5とされています。

硬い歯は何で削る?

硬い歯は何で削る?

鉄よりも硬いエナメル質ですが、皆さんもご存じのとおり、虫歯になった時に歯科医院では歯を削って治療を行います。

エナメル質を削るためにはそれよりも硬い素材でなければなりません。このため、歯の治療では鉱物で最も硬いダイヤモンドを使ったバーを使っています。

金属のバーにダイヤモンドの粒子を吹き付けたものを使うことで、硬いエナメル質を効率良く削ることができるのです。

歯は硬いが割れることもある

歯は硬いが割れることもある

「歯は鉄よりも固い」と聞くと、「じゃあ、歯はとても頑丈なんだな」と思いますよね。もちろん水晶と同じくらいの硬さ(モース硬度7)を持つエナメル質に覆われているのですから、そう考えるのも当然です。

しかし実際には、氷や硬い食物をガリッと噛んだ瞬間、あるいは転んでしまった時などに、歯が欠けたり、割れたりすることがあります。硬いはずの歯が、なぜ割れてしまうのでしょうか?

虫歯になると歯は柔らかくなる

虫歯になると歯は柔らかくなる

とても硬い歯ですが、歯が柔らかく脆くしてしまうのが虫歯です。虫歯は口の中の細菌が、糖を原料にして酸を産生し、歯を溶かす病気です。硬いエナメル質も酸によって少しずつ溶けて穴が開いてしまいます。

そしてエナメル質の内側には象牙質という組織があります。象牙質のモース硬度は5~6で、エナメル質よりも柔らかい組織です。

象牙質のモース硬度は5~6で、エナメル質よりも柔らかい組織

虫歯が象牙質まで進行すると、神経まで刺激が伝わり、冷たいものがしみたり、痛みを感じたりといった症状が現れやすくなります。

また、口の中の細菌が作る酸以外にも、コーラなどの炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘系のジュース、お酢など、pH値が低い飲み物を頻繁に摂取することで歯は溶かされていきますので、注意が必要です。

歯ぎしり・食いしばりで歯が割れることも

歯ぎしり・食いしばりで歯が割れることも

日頃から歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯が割れるリスクが高くなります。

私たちの噛む力は大体体重と同じくらいと言われていますが、以前、歯ぎしりや食いしばりの種類と治療法でも解説したとおり、夜間の歯ぎしりや食いしばりの時の力はその2~5倍にもなると言われています。

体重が60キロの人なら120~300キロもの力です。それほどの力が頻繁にかかると、硬いエナメル質も負荷が加わり、歯が割れてしまう原因にもなります。

これからもずっと自分の歯で噛めるように

これからもずっと自分の歯で美味しく食べるために

お伝えしたように、歯の表面のエナメル質は鉄よりも硬いと言われるほど頑丈な組織で、そのおかげで私たちは日々色々なものを咀嚼(そしゃく)できています。しかし、この硬さはあくまで表面的な抵抗力を示すものであり、鉄よりも割れにくいという意味ではありません。

歯は一度虫歯になったり、割れてしまうと、元に戻すことはできません。虫歯が進行したり、その割れ方によっては神経を抜く根管治療が必要になったり、最悪の場合は歯を抜かなくてはいけなくなることもあります。

どんなに優れた治療法も、ご自身の天然の歯に勝るものはありません。生涯自分の歯で美味しく食事ができるように、日々のセルフケアや、クリニックでの定期的な歯のメインテナンスを心がけましょう。

お口の健康について真剣に考えたいとお考えでしたら、ぜひ町田駅すぐの町田歯科・矯正歯科へお越しください。綿密なカウンセリングを通じて患者さん一人一人のお口の状態をしっかりと確認し、歯の健康を生涯にわたってサポートいたします。

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